仮想通貨投資では多くの投資方法があります。その中でも、レンディングは、持っている通貨を貸し出して利息を得る方法として注目されています。しかし、この収益には税金がかかることをご存知でしょうか?本記事では、仮想通貨のレンディング収益に関する税金について詳しく解説します。投資家の皆さんにとって、税金の取り扱いは重要なポイントですので、ぜひご一読ください。仮想通貨のレンディングとは仮想通貨のレンディングは、投資家が保有している仮想通貨をプラットフォームに貸し出し、その対価として利息を受け取る取引方法です。この取引方法は、投資家が仮想通貨を保有しながらも、その資産を活用して収益を得る手段の一つとして利用されています。レンディングのメリット・デメリット仮想通貨のレンディングは、投資家にとって魅力的な収益源である一方で、注意すべきポイントも存在します。以下では、レンディングのメリットとデメリットについて詳しく解説します。メリット仮想通貨の報酬を受け取ることができる運用が簡単で初心者でも始めやすいレンディングは仮想通貨を預けることで、報酬を受け取ることができます。貸し付けている間は運用の手間がかかりません。さらに、預けるだけで報酬が受け取れるので、初心者でも始めやすい投資方法になります。デメリットすぐに引き出せず、売却のタイミングを逃す可能性がある預けた資産を引き出せない可能性があるプラットフォームによっては、レンディングで預ける期間が決められていたり、取り出す際に時間がかかります。その期間は売買ができないので、そこで機会損失が発生する可能性があります。また、レンディングをおこなっている会社が倒産するなど資産の回収が困難になる場合があります。そのため、レンディングをおこなう際は信頼性があるかどうかを見極めて選択することが重要となります。レンディングはどこでできるのか国内取引所でもいくつかレンディングをおこなえる取引所があり、通貨を預けることでレンディング収益を受け取ることができます。(GMOコイン、LINE BITMAX、SBI VC Trade、Bitbankなど...)その他にも、海外取引所やレンディングを中心におこなっているサービスなどもあるので、ご自身にあったサービスを探されてはいかがでしょうか?レンディングの税金について仮想通貨のレンディングにおける税金について見ていきましょう。税金の種類仮想通貨のレンディングの税金は雑所得に分類されます。仮想通貨取引で得た利益は基本的に雑所得に分類されますが、レンディングで得た利益の場合も変わりありません。仮想通貨取引で得た利益の税金については、以下の記事で詳しく解説しているので、こちらも合わせてご覧ください。【最大55%】仮想通貨(暗号資産)の税金がやばい仕組みとは?高すぎる理由と節税対策を紹介税金が発生するタイミング税金が発生するタイミングは、主に以下の二つになります。レンディング収益を受け取ったときレンディング収益で受け取った仮想通貨を売却したとき逆に、レンディングに仮想通貨を預け入れたときや、レンディングに預け入れて放置しているとき、レンディングしていた仮想通貨通貨が返却されたときには、個人の場合基本的に税金はかかってきません。レンディングなど保有しているだけのときの税金については、以下の記事で詳しく解説していますので合わせてお読みください。【2025年版】仮想通貨は持っているだけで課税される?確定申告前に必ず押さえたい6つの落とし穴こうしてまとめるとそこまで課税タイミングは難しくないように見えますが、先ほど挙げた内の二つ目、レンディング収益で受け取った仮想通貨を売却したときについては忘れがちなので注意しましょう。一つ目のタイミング、レンディング収益を受け取ったときは利益が出ていることが分かりやすく、損益計算もしやすいです。ですが、二つ目のタイミング、レンディング収益で受け取った仮想通貨を売却したときについては、一つ目のタイミングで利益を計上しているので見逃してしまいがちです。また、損益計算についても、仮想通貨を受け取ったタイミングと売却したタイミングやそのときの時価を記録しておかなければならないなど、煩雑になってきます。レンディング収益の損益計算方法仮想通貨をレンディング報酬として受け取った場合、所得とみなされます。利益が発生するタイミングやその利益の計算方法について解説します。レンディングの利益の発生タイミングは?仮想通貨のレンディング収益で利益または損益が発生するタイミングは、・レンディング収益を受け取ったとき・レンディング収益で受け取った仮想通貨を売却したときになります。レンディングプールに預けたり、その通貨が返却されたときには損益は発生しません。レンディングの計算方法は?上記のパターンでどのくらいの利益または損益が発生するかを解説します。レンディング収益を受け取ったとき実際に以下の取引をおこないレンディング収益を受け取った場合の計算をしてみましょう。① 2024年1月1日に5.0BTCをレンディングプールに預入② 2024年1月31日に0.03BTCを報酬で受け取り③ 2024年2月29日に0.04BTCを報酬で受け取り④ 2024年3月25日に5.0BTCを返却①で預入した時や④で返却されたときには損益は発生しません。②や③でBTCを受け取りしたときに利益が発生します。報酬を受け取った時は受け取り時点での時価で利益が発生するため、②では0.03BTC×630万(1月31日のBTCのレート)=18.9万円③では0.04BTC×940万(2月29日のBTCのレート)=37.6万円の利益がそれぞれ発生します。レンディング収益で受け取った仮想通貨を売却したときレンディングで受け取りした報酬を売却したときにも損益が発生します。以下の取引をおこなった際、どのように損益が発生するか計算してみましょう。①2023年に計5BTCを2,500万円で購入②2024年1月1日に5.0BTCをレンディングプールに預入③2024年1月31日に0.03BTCを報酬で受け取り④2024年2月29日に0.04BTCを報酬で受け取り⑤2024年3月25日に5.0BTCを返却⑥2024年4月15日に0.07BTCを70万円で売却この取引をおこなった場合、先ほど説明したとおり③、④で利益が発生し、この他にも⑥の取引をおこなった際にも損益が発生します。売買での損益の計算方法(総平均法)では、総売却額-(総売却数×平均取得単価)で求めることができます。総売却額:⑥での取引のみで売却がおこなわれているので70万円が総売却額となります。売却数:⑥での取引のみで売却がおこなわれているので0.07が売却数となります。平均取得単価:暗号資産を購入したときはもちろんのことレンディング収益を受け取りも取得額に含まれます。平均取得単価は「総取得額/総取得数」で求めることができます。取得数取得額①5.0BTC2,500万円③0.03BTC18.9万円④0.04BTC37.6万円合計5.07BTC2,556.5万円※レンディングで収益として受け取った場合、「取得数×受け取り時点の時価」が取得額になります。上表より平均取得単価は、2,556.5万円/5.07BTC=504.24万円となります。したがって、売却で発生する損益は70万円-(0.07BTC×504.24万円)=34.70万円となります。③、④で発生した利益18.9万円と37.6万円を合わせて91.2万円が①〜⑥で発生した損益ということになります。レンディングしている仮想通貨が返ってこない場合レンディングのメリット・デメリットの章でも説明しましたが、レンディングで預けたプラットフォームが倒産してしまったり、ハッキングで盗まれてしまうことがあります。そうなると、レンディングで貸し出している仮想通貨が二度と戻ってきません。レンディングしている仮想通貨が返ってこない場合には盗まれた暗号資産を損失として計上できるかどうかは個別での判断になりますので、顧問税理士か最寄りの税務署にご確認ください。参考:国税庁(雑損控除について)クリプトリンクで計算しようクリプトリンクでは、仮想通貨のレンディング収益や売買の損益を計算することができます。今回はGMOコインのデータを登録してみましょう。GMOコインのデータの取得方法はこちらを参考にしてください。クリプトリンクにログインしたら「アップロード」から「取引明細フォーマット」をGMOコインにして取引データをアップロードしてください。現物取引に明細が登録されます。まとめ本記事では、仮想通貨のレンディングとは何かから、レンディング収益で発生する税金の計算方法まで説明しました。最後にレンディング収益の税金についておさらいしておきましょう。レンディング収益を含めた仮想通貨の利益には所得税(分類:雑所得)がかかるレンディングの税金の発生タイミングは以下である① 収益を受け取った時② 受け取った通貨を売却した時報酬は受け取った時点でのレートで一度損益が計算されるため、報酬で受け取った通貨が現時点で価値が落ちているような場合でもそのまま所持している場合には想定外の利益が発生している場合があるので、一度売却するなど検討してみるのもいいかもしれません。レンディング報酬を多く受け取っている場合には、確定申告が必要になるケースがありますので、ご自身の損益を今一度確認してみてはいかがでしょうか?関連記事仮想通貨で不労所得を得る方法5選!簡単に始められる仮想通貨運用法仮想通貨のステーキングとは?仕組みや損益計算方法と税金について詳しく解説