仮想通貨の取引が世界中で広まりを見せる中、日本でも人気が高まっています。本記事では世界最大級の取引所であるBinanceの日本向けプラットフォームの「Binance Japan(バイナンス・ジャパン)」についてBinance Japanとはどんな取引所なのか?Binance Japanの取引データや損益の計算方法は?を解説します。損益計算は、確定申告やご自身の状況を理解する上で非常に重要です。Excelを使った計算方法やクリプトリンクの計算ツールを使った計算方法を解説しているのでぜひ最後までご覧ください。Binance Japanとは?Binance Japanは、世界最大級の仮想通貨取引所であるBinanceの日本向けプラットフォームで、ビットコイン価格を代表とする仮想通貨(暗号資産)の最新情報を提供しています。2023年8月1日から新たに日本向けのプラットフォームが開設され、日本円を入金したり、日本円で仮想通貨を購入することができるようになりました。仮想通貨の売買以外にも自動購入(積立)やSimple Earn(貸付して利息を得ることができる)などのサービスを提供しています。現在(2024年7月1日時点)、Binanceの独自トークンであるBNBや主要なトークンであるBTCやETHの他、計52銘柄を取り扱っており、その全てを日本円で購入することができます。※販売所では日本円で全ての通貨が購入できますが、取引所では日本円が対応していない取引もあるみたいです。Simple Earnの取引については以下の記事で解説しているので詳細を知りたい方は是非ご覧ください。【図解あり】Binance Japan(バイナンスジャパン)のSimple Earn完全ガイド!始め方・損益計算・税金までを徹底解説Binance Japanの取引履歴データ(現物取引)をダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(CSVファイル)が必要になります。Binance Japan(バイナンス・ジャパン)の現物取引データをダウンロードする方法に沿って取引履歴ファイルをダウンロードします。Binance Japanの取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの1行目の項目をそれぞれ解説していきます。Date(UTC):取引日時Market:取引した通貨ペアType:取引種別Price: 取引通貨の対決済通貨レート ※1Amount: 取引通貨数量Total:決済通貨数量Fee:手数料Fee Coin:手数料の通貨名※1 本記事では「Market」の前の通貨を取引通貨、後ろの通貨を決済通貨として記載しています。例えばBTCETHの場合、BTCを取引通貨、ETHを決済通貨としています。エクセルでの損益確認方法取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてBinance Japanの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法があります。ここではそれぞれの計算方法で損益を求めていきます。総平均法の場合では、以下のBinance Japanの取引データを使用して、総平均法で損益計算を行なっていきます。総平均法では、任意の集計基準期間を通して購入した通貨の平均単価を平均取得単価とし、この平均単価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から収益および保有資産の取得原価を算定します。総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額] ー [取得価格(平均取得単価 × 売却数量)] = [損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却総額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出します。BTCの購入と売却の取引の表が以下になります。Typeが「Buy」の場合行目Amount(BTC)Total(JPY)216,200,00040.86,160,00060.22,100,00070.11,080,00090.22,140,000合計2.317,680,000Typeが「SELL」の場合行目Amount(BTC)Total(JPY)Fee30.31,950,00010050.54,500,00010081.313,260,000100100.11,040,000100合計2.220,750,000400Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な数字を洗い出します。「売却総額」:Typeが「SELL」の時のTotalの合計 → 20,750,000円「平均取得単価」:Typeが「BUY」の時のTotalの合計をAmountの合計で割った金額 → 7,686,957円「売却数量」:Typeが「SELL」の時のAmountの合計 → 2.2BTCStep 3:損益額を算出するしたがって、先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。[暗号資産の売却総額:20,750,000円] ー [取得価格(平均取得単価:7,686,957円 × 売却数量:2.2BTC)] = 3,838,695円3,838,695円から手数料の400円を引いた金額が上記の取引の損益となります。移動平均法の場合次に、上と同じBinance Japanの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得単価を算出し、この平均取得単価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額] ー [取得価格(平均取得単価 × 売却数量)] = [損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。行目TypeTotalAmountBTC残数BTC残数に対しての取得額(JPY)平均取得単価(JPY)2BUY6,200,0001.01.06,200,0006,200,0003SELL1,950,0000.30.74,340,0006,200,0004BUY6,160,0000.81.510,500,0007,000,0005SELL4,500,0000.51.07,000,0007,000,0006BUY2,100,0000.21.29,100,0007,583,3337BUY1,080,0000.11.310,180,0007,830,7698SELL13,260,0001.3007,830,7699BUY2,140,0000.20.22,140,00010,700,00010SELL1,040,0000.10.11,070,00010,700,0005~7列目の数値は以下のように算出しております。BTC残数:Typeが「BUY」の時はAmountを加算Typeが「SELL」の時はAmountを減算(例)3行目はTypeが「SELL」なのでAmountの0.3を2行目の1.0に減算して、BTC残数は0.7となる。BTC残数に対しての取得額(JPY):Typeが「BUY」の時はTotalを加算Typeが「SELL」の時は「この取引までの平均取得単価×BTC残数」(例)4行目はTypeが「BUY」なので、Amountの6,160,000を3行目の4,340,000に加算して、 BTC残数に対しての取得額は10,500,000となる。また、8行目はTypeが「SELL」なので、BTC残数に対しての取得額は「この取引までの平均取得単価(7行目の平均取得単価)7,830,769 × 8行目のBTC残数の0」=0となる。平均取得単価(JPY):Typeが「BUY」の時は「BTC残数に対しての取得額÷BTC残数」Typeが「SELL」の時はこの取引時点までの平均取得単価を引き継ぐ(例)6行目はTypeが「BUY」なので、「BTC残数に対しての取得額9,100,000円÷BTC残数1.2」=7,583,333円また、10行目はTypeが「SELL」なので、この取引時点までの平均取得単価10,700,000円を引き継ぐStep 2:各売却明細の損益を算出する例えば、3行目の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額1,950,000円] ー [取得価格(平均取得単価6,200,000円 × 売却数量0.3BTC)] = 90,000円この売却で90,000円の利益が出ていることが分かります。売却した取引全てで損益の計算をする必要があります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[3行目の損益90,000円] + [5行目の損益1,000,000円] + [8行目の損益3,080,000円]+ [10行目の損益-30,000円] = 4,140,000円売却時に発生する損益の合計4,140,000円から手数料の400円を引いた金額が取引全体の損益となります。クリプトリンクの損益計算ツールでの損益確認方法当社の暗号資産の損益計算ツールを使って損益を確認していきます。クリプトリンクの損益計算ツールは、暗号通貨の取引による収支を正確に計算し、利益や損失を把握するためのツールです。以下に、ツールの機能と使い方を簡単に説明します。取引履歴のインポート: 取引所からダウンロードした取引履歴データ(CSVやExcelファイルなど)をインポートできます。このデータには、取引の詳細な情報(取引日時、取引ペア、購入価格、売却価格、手数料など)が含まれています。自動計算機能: インポートした取引履歴データを基に自動的に収支や手数料を計算します。レポート作成: 計算結果をレポートとして出力する機能も提供しています。計算ツールを利用すると、上記のようなエクセルを使用した手動での計算は一切不要です!しかも、使い方は簡単です。取引履歴データを計算ツールにインポートするだけで、システムが自動で収支を出してくれます。Binance Japanの取引履歴ファイルを計算ツールにアップロードして計算した結果は、以下になります。(取引履歴データのアップロード方法はこちらをご覧ください。)エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。※本記事では損益計算時、小数点を四捨五入している関係でツールとエクセルの計算で1円の差がでております。こちらは総平均法での計算結果になりますが、設定を切り替えれば移動平均法にも簡単に変えられます。まとめ本記事ではBinance Japanとはどんな取引所かBinance Japanのデータの取得方法・見方Binance Japanの取引の計算方法について解説しました。今回解説したデータのように日本円でシンプルな取引であれば、ご自身で計算することは可能ですが、仮想通貨同士の取引や他の取引所の取引も一緒に計算する必要がある場合はエクセルで計算するのは困難になるかと思います。そんな時はクリプトリンクの計算ツールをご利用してみては以下がでしょうか?関連記事仮想通貨取引所「BTCC」の現物/先物の取引データの確認方法と収支の計算方法を紹介Bitget Walletとは?取引の特徴や損益計算、クリプトリンクへの登録方法を解説「Nexo」の現物/先物の取引データの確認方法と収支の計算方法の紹介