仮想通貨取引で、国内で利用者の多い取引所の一つにbitbankがあります。bitbankは、ビットコインだけでなく様々なアルトコインを購入できたり、売買以外のサービスがあったりと魅力的な取引所です。ただ、取引をしたら損益をしっかりと把握する必要がありますが、しっかりとできていますか?「仮想通貨を売買しているけれど、どのくらいの損益が出ているか分からない」「bitbankの取引データの見方が分からない」「bitbankでの取引の収支の計算方法が分からない」といったお悩みをお持ちではないでしょうか?そこで本記事では、bitbankを利用している方向けに損益を確認する方法について詳しく解説します。bitbankで取得できる取引データをもとに手計算で損益計算を行う方法計算ツールを利用して損益を確認する方法をそれぞれ分かりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。bitbank(ビットバンク)とはどんな取引所?bitbank(ビットバンク)は、日本国内に拠点を置く仮想通貨取引所の一つです。bitbankでは仮想通貨の売買の他に信用取引(レバレッジ取引)や、仮想通貨を預けるだけで報酬がもらえるレンディングなどをすることができます。そんなbitbankでは取引手数料が安い(Maker手数料がマイナスになることも)多くのアルトコインに対応している(2025年4月9日時点では42種類の暗号資産に対応)などの特徴があります。bitbankの取引履歴データをダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(csvファイル)が必要になります。bitbankでは、現物取引と信用取引の取引データを、一つのファイルで取得することができます。取引データの取得方法は「bitbankの取引データ取得方法」から確認いただけます。bitbankの取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの見方を解説していきます。bitbankでは現物取引と信用取引の両方の取引が一つのファイルに統合されているため、現物の項目と証拠金の項目、どちらも併せてご紹介します。通貨ペア:取引を行った通貨のペア現物/信用:現物取引、信用取引の取引の種類タイプ:limit(指値注文)、market(成行注文)売/買:buyは通貨の購入、sellは通貨の売却を示します。数量:取引した通貨の数量価格:1通貨あたりの金額実現損益:信用取引で発生した損益発生手数料:取引で発生した手数料実現手数料:実際に支払いをした手数料実現利息:信用取引で発生する利息m/t:取引区分取引日時:取引が発生した日時手計算で損益を確認する取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてbitbankの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法がありますが、それぞれの方法で損益を求めるやり方をご紹介していきます。また、最後には信用取引の損益の見方についても紹介します。1. 総平均法の場合では、以下のbitbakのデータを使用して、総平均法で損益計算を行っていきます。総平均法の計算式総平均法とは、特定の期間内に取引した通貨の平均単価を取得原価とし、この取得原価をもとにして収益を計算する方法です。総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却総額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出し、計算しやすいように加工した表が以下になります。売買取得単価(JPY)取得額 (JPY)取得数(BTC)売却額 (JPY)売却数(BTC)2行目buy15,200,000152,0000.013行目buy15,400,000308,0000.024行目sell14,600,000292,0000.025行目buy13,300,000399,0000.036行目sell12,600,000126,0000.01合計859,0000.06418,0000.03取得単価:「価格」の値取得額:売/買が「buy」の時の「価格×数量」の値取得数:売/買が「buy」の時の数量売却額:売/買が「sell」の時の「価格×数量」の値売却数:売/買が「sell」の時の数量Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な以下の数字を洗い出します。・「売却総額」:売/買が「sell」の時の価格(JPY)→418,000円・「平均取得単価」:総取得額(JPY)を総取得数(BTC)で割った金額 →14,316,667円・「売却数量」:売却した総数 →0.03BTCStep 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。[暗号資産の売却総額:418,000円]ー[取得価格(平均取得単価:14,316,667円 × 売却数量:0.03BTC)]= - 11,500円2. 移動平均法の場合次に、上と同じbitbankの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得原価を算出し、この平均取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法の計算式移動平均法とは取引のたびに現在の取引価格と保有数から平均取得原価を出し、この取得原価をもとにして収益を計算する方法です。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出し、計算しやすいように加工した表が以下になります。所持しているBTCの取得額BTC数量売却額(JPY)売却数量(BTC)取得単価(JPY)売却数量に対しての取得額損益2行目152,0000.0115,200,0003行目460,0000.0315,333,3334行目153,3330.01292,0000.0215,333,333306,667-14,6665行目552,3330.0413,808,3256行目414,2500.03126,0000.0113,808,325138,083-12,083合計-26,749このデータの詳細は以下のように算出しております。所持しているBTCの取得額:売/買が「buy」の時は所持しているBTCの取得額に「価格×数量」の値を+、売/買が「sell」の時はこの取引時点までの取得単価×BTC数量を行いますBTC数量:売/買が「buy」の時はBTC数量に数量を+、売/買が「sell」の時はBTC数量に数量を-する売却額:売/買が「sell」の時の「価格×数量」の値売却数量:売/買が「sell」の時の数量取得単価:売/買が「buy」の時は「所持しているBTCの取得額/BTC数量」の値となっており、売/買が「sell」の時はこの取引時点までの取得単価を引き継ぎます売却数量に対しての取得額:売却数量×取得単価損益:売却額-売却数量に対しての取得額Step 2:各売却明細の損益を算出する例えば、4行目の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額292,000円]ー[取得価格(平均取得単価15,333,333円 × 売却数量0.02BTC)]=-14,666円この売却で14,666円の損があることが分かります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[4行目の損益-14,666円] + [6行目の損益-12,083円] = -26,749円3. 信用取引の場合信用取引の場合は総平均・移動平均関係なく、取引データに記載されている実現損益がそのまま損益になります。例えば、以下の取引データだとI列の合計である260,000円が損益になります。実現手数料や実現利息が発生している場合は、実現損益から実現手数料、実現利息を引いた数字が損益となります。クリプトリンクの損益計算ツールで損益を確認する次に、クリプトリンクの暗号資産の損益計算ツールを使って損益を確認していきます。クリプトリンクの損益計算ツールは、暗号通貨の取引による収支を正確に計算し、利益や損失を把握するためのツールです。以下に、ツールの機能と使い方を簡単に説明します。1.取引履歴のインポート: 取引所からダウンロードした取引履歴データ(CSVやExcelファイルなど)をインポートできます。このデータには、取引の詳細な情報(取引日時、取引ペア、購入価格、売却価格、手数料など)が含まれています。2.自動計算機能: インポートした取引履歴データを基に自動的に収支や手数料を計算します。3.レポート作成: 計算結果をレポートとして出力する機能も提供しています。計算ツールを利用すると、上記のようなエクセルを使用したマニュアルでの計算は一切不要!使い方は簡単です。取引履歴データを計算ツールにインポートするだけで、システムが自動で収支を出してくれます。bitbankの取引履歴ファイルを計算ツールにアップロードして計算した結果は以下になります。(取引履歴データのアップロード方法はこちらをご覧ください。)エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。上記は総平均法での計算結果になります。移動平均法での計算結果は以下となります。こちらも、エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できますね。まとめ本記事ではbitbankでできる取引の特徴bitbankの取引データの取得方法や内容取引データから損益を計算する方法を解説しました。今回は解説のため、少ないデータを用いて計算を行いましたが、取引数が多かったり、複数の通貨、複数の取引所を利用していると計算が複雑になってしまいます。その際はぜひ、クリプトリンクの計算ツールをご利用してみてはいかがでしょうか?関連記事GMOコインの損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを活用して確認しようbitFlyer(ビットフライヤー)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しようOKJ(旧OKCoinJapan)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しよう