2024年のビットコインといえば、イベントが目白押しでしたね。仮想通貨に興味のある方であればSNSなどで見かけたかもしれませんが、2024年はビットコインの半減期から始まり、米SECでのビットコイン、イーサリアムのETFの承認、米大統領選挙などなど話題に事欠きませんでした。そんな話題の中でも「半減期」とは何なのか知っていますか?「ビットコインの半減期には価格が上がるらしいから買おう!」「半減期ってよくわからないけど、話題だからやってみよう」このように、半減期についてよく知らないけれど「価格が上がるらしい」とビットコインの取引を始めた方もいるのではないでしょうか。本記事では、そんな半減期について詳しく解説するとともに、実際に価格が上がったのか過去の価格動向も紹介していきます。ビットコインの半減期とはビットコインの半減期とは、一言で言いますと「ビットコインのマイニング報酬が半減する時期」です。マイニングとは、ビットコインのブロックを生成する過程で必要な計算処理のことで、これに成功すると一定数のビットコインを報酬として貰うことができます。マイニングについて詳しくは以下の記事をご覧ください。仮想通貨(暗号資産)のマイニングの税金・確定申告ってどうなるの?税金計算ツールへの登録方法も解説この報酬として貰えるビットコインが半分になることを「半減期」と言います。この半減期は、詳しくは後述しますがおよそ4年ごとに到来するものとされています。このあたりまではなんとなくご存知の方も多いでしょうが、では、なぜこの半減期が設定されているのか知っていますか?それは「ビットコインの価値を保つため」とされています。マイニングで得る報酬は、売買取引などではなく新規発行されたビットコインですので、この報酬が発生するとビットコインの総供給枚数が増加します。ですので、この報酬がずっと変わらず発生し続けてしまった場合、ビットコインは無限に生成できてしまうことになり、いずれ価値は下落してしまいます。また逆に、いきなり新規発行がストップしてしまうと、ビットコインの希少性が急激に上昇して価値が急騰してしまう可能性があります。そこで、現在のシステムではマイニング報酬を一定期間ごとに半減してゆくことで、緩やかに新規発行枚数を抑え、急激な下落・高騰を避けて価値を保つことができます。ちなみに、このマイニングによるビットコインの新規発行がされなくなる時期についてですが、ビットコインの発行上限は2100万枚で、これに到達するのがおよそ2140年頃と予測されています。ビットコインの半減期の仕組み前章では半減期が設定されている理由について解説しましたが、詳細な仕組みとしてはどうなっているのでしょうか?ここでは、半減期がいつ起こり、なぜ価格が上がると言われているのかについて仕組み的な部分を詳しく紹介します。いつ起こる?半減期はおよそ4年ごとに到来すると言われていますが、より詳細に見てみましょう。ビットコインのシステムまで見てみると、ビットコインの半減期は「前回の半減期から21万ブロック生成された時」と設定されています。ビットコインのブロックは約10分に1ブロック生成されるように難易度が設定されているため、ここから計算すると3.995・・・年で21万ブロックが生成されることがわかります。ブロックは正確に10分で生成されるものではありませんので、実際にはズレが発生するため、おおよそ4年ごとに半減期が訪れることになるわけですね。なぜ価格が上がる?なぜ価格が上がると言われているのか、は「希少価値を感じる大衆心理」とされています。先ほど解説したように、半減期を迎えることは、新規発行枚数が減少し、予定されている発行上限に近付きつつあることを示しています。ですので、半減期のタイミングで希少価値が高まったと感じ、「発行上限にもっと近付いてしまう前に早めに買っておこう」と考えるユーザーが増えるため、価格が上がると言われています。また、半減期は2024年で4回目を迎えていますので、過去の動向が既に知られています。次章で詳しく見ていきますが、過去の半減期前後の値動きを見てみると、半減期後は基本的に価格が上昇しています。この歴史から「半減期後には価格が上昇する可能性が極めて高い」と考え、購入するユーザーが増えるため、価格が上がるという理由もあります。過去の半減期を一覧でチェック過去の半減期について一覧にまとめましたので、価格動向を確認してみましょう。回数半減期の日付マイニング報酬半減期後最高値半減期後最安値12012年11月28日50BTC → 25BTC約1100ドル約10ドル22016年7月9日25BTC → 12.5BTC約2800ドル約600ドル32020年5月11日12.5BTC → 6.25BTC約59000ドル約9500ドル42024年4月20日6.25BTC → 3.125BTC約90000ドル約54000ドル価格はおおよその値になりますが、これを見ても分かる通り、いずれの期間も半減期後は価格が上昇しており、半減期後の最安値ですら半減期前の最高値に近い価格となっています。チャートでも確認してみましょう。チャートはビットコインのこれまでの価格推移で、赤線のタイミングで半減期が訪れたことを示しています。チャートを見るとわかりやすいかと思いますが、半減期を迎えるたびにボラティリティが大きくなるものの、いずれの期間も半減期後には半減期前の最高値近辺の価格で底堅くなるという傾向が見て取れるかと思います。一方で、半減期直後に価格が急騰しているかというと、そうでもありません。たとえば、2024年では半減期の1~2カ月前から価格が上がっており、「半減期に期待が高まった結果、半減期前から価格が上がり始める」状況がありました。加えて、2024年の最高値に関しては11月に米大統領選で仮想通貨支持派のトランプ氏が当選した影響で記録されたものです。半減期後は売るタイミング?ここまで紹介した情報から考えると、一般に言われているように半減期後はビットコインを売るタイミングなのでしょうか?結論から言いますと、「わかりません」としか言いようがありません。前章で紹介した一覧を見ると、半減期後に価格が上昇する傾向は4回連続で見られており、半減期前に買って半減期後に売るというのは非常に信頼度の高い投資に思えます。ですが、ビットコインは比較的安定しているとはいっても仮想通貨です。その価値を裏付けるプロダクトが存在する株式や、世界情勢や政策などの影響を受ける為替などとは違い、その価格動向を読むことは非常に困難です。半減期に乗じて価格が上がったタイミングで、ビットコインを大量に保有したクジラが売却を開始するなどでむしろ価格が下がる可能性があります。他にも、ビットコインの新規発行枚数がゼロになる前、半減期がまだ残っているにも関わらず価格が頭打ちになる可能性もあります。あくまでも、「これまでの半減期後は価格が上昇する傾向があった」程度の認識に抑え、判断材料がない状況よりは投資をしやすいイベントとして半減期を捉えておくのが得策でしょう。まとめここまでビットコインの半減期についてと、過去の半減期前後の動向について解説してきました。最後に簡単におさらいしておきましょう。ビットコインの半減期とはマイニング報酬が半分になる時期のこと半減期はビットコインの価値を保つために設定されている過去4回の半減期では、いずれも半減期後に価格が上昇している今後も確実に価格が上昇するとは限らないので、半減期でも慎重に投資をしよう半減期はこれまで4回訪れており、その4回とも半減期後に価格が上昇しているので、ビットコインにまつわるイベントの中でも特に盛り上がるイベントとなっています。ですが、確実に価格が上がるとは言えませんので、盛り上がるイベントだからこそ冷静になって慎重に投資することを心掛けたいですね。