本記事では国内で利用者の多い、bitFlyer(ビットフライヤー)を利用の方向けに、損益を確認する方法について解説します。エクセルを使用した計算方法とクリプトリンクの計算ツールを活用する方法を併せてご紹介します。この記事の要約bitFlyerの取引データCSVの取得方法とデータの見方を解説総平均法と移動平均法での手計算のやり方をそれぞれ解説損益計算ツール「クリプトリンク」を使っての損益の確認方法を解説bitFlyerの取引データ取得方法まず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(csvファイル)が必要になります。bitFlyerの取引履歴ファイル(現物取引)を取得する方法に沿って取引履歴ファイルをダウンロードします。bitFlyerの現物取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの1行目の項目をそれぞれ解説していきます。取引日時:取引が発生した日時通貨:通貨ペア、取引通貨(通貨1)/決済通貨(通貨2)取引種別:受取(ボーナス等の受取)、買い(暗号資産の購入)、売り(暗号資産の売却)取引価格:通貨1の対通貨2レート通貨1:取引通貨 (例)3行目は購入した通貨がXRPとなり、4行目は売却した通貨がXRPとなります。通貨1数量:通貨1の取引数量手数料:取引の際に発生した手数料 (通貨1)通貨1対円レート:通貨1を日本円に換算する際のレートを指します。通貨2:決済通貨 (例)3行目は購入で使った通貨がJPYとなり、4行目は売却で得た通貨がJPYとなります。通貨2数量:通貨2の取引数量自己・媒介:自己 (ユーザー同士で通貨の売買を行うこと)、媒介 (取引所を仲介して売買を行うこと)取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてbitFlyerの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法があります。ここではそれぞれの計算方法で損益を求めていきます。【手計算】総平均法で損益を確認では、以下のBiyFlyerの取引データを使用して、総平均法で損益計算を行なっていきます。総平均法では任意の集計基準期間を通して購入した通貨の平均単価を取得原価とし、この取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から収益および保有資産の取得原価を算定します。総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却総額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。取引種別取得額(JPY)取得数(XRP)売却額(JPY)売却数(XRP)手数料(XRP2行目受取833.710.003行目買い221432700.014行目売り81171600.15行目買い289914100.016行目売り44491000.17行目売り90122000.18行目売り100992100.1合計51967.5690316776700.42こちらの各項目の詳細は以下のようになっております。取得額:取引種別が「買い」の時の通貨2数量取得数:取引種別が「買い」の時の通貨1数量売却額:取引種別が「売り」の時の通貨2数量売却数:取引種別が「売り」の時の通貨1数量手数料:手数料また、ボーナス等の受取に関しては受取時に時価レートで収益計上、かつ取得原価にも計上としなければいけません。つまり2行目の場合2月28日時点の時価が83.37円である場合、この時点で収益は83.37円 × 10 = 833.7円となり、こちらの数字を取得額として計上します。Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な以下の数字を洗い出します。・「売却総額」:取引種別が「売り」の時の通貨2数量(JPY)→31677円・「平均取得単価」:総取得額(JPY)を総取得数(XRP)で割った金額 →75.31521739円・「売却数量」:売却した総数 →670XRPStep 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。暗号資産の売却総額:31,667円]ー[取得価格(平均取得単価:75.315円 × 売却数量:670XRP)]=-18,784円この収益は売買のみの損益なので、これにさらにボーナス分の収益を加算した-17950円から手数料0.42XRP円すなわち32円(平均取得単価75.315より算出)を引いた値が損益となります。【手計算】移動平均法で損益を確認次に、上と同じBitFlyerの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得原価を算出し、この平均取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。所持しているXRPの取得額XRP数量売却額(JPY)売却数量(XRP)取得単価(JPY)売却数量に対しての取得額損益2行目833.710.0833.73行目22976280.082.064行目9847120.08117160.082.0613129-50135行目38838530.073.286行目31510430.04449100.073.287328-28797行目16854230.09012200.073.2814656-56448行目146620.010099210.073.2815389-5290合計-17992.3このデータの詳細は以下のように算出しております。所持しているXRPの取得額:取引種別が「買い」の時は所持しているXRPの取得額に通貨2数量を+、取引種別が「売り」の時はこの取引時点までの取得単価×XRP数量を行いますXRP数量:XRP数量に通貨1数量を+売却額:取引種別が「売り」の時の通貨2数量売却数量:取引種別が「売り」の時の通貨1数量取得単価:取引種別が「買い」の時は「所持しているXRPの取得額/XRP数量」の値となっており、取引種別が「売り」の時はこの取引時点までの取得単価を引き継ぎます売却数量に対しての取得額:売却数量×取得単価損益:売却額-売却数量に対しての取得額Step 2:各売却明細の損益を算出する例えば、4行目の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額8,117円]ー[取得価格(平均取得単価82.06円 × 売却数量160XRP)]=-5,013円この売却で5,013円の損あることが分かります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[2行目の損益833.7円] + [4行目の損益-5013円]+ [6行目の損益-2879円]+ [7行目の損益-5644円] + [8行目の損益-5290円]= -17992.3円売却時に発生する損益の合計-17992円から手数料4円を引いた額が取引全体の損益となります。【損益計算ツール】クリプトリンクを使って損益を確認次に、当社の暗号資産の損益計算ツールを使って損益を確認していきます。クリプトリンクの損益計算ツールは、暗号通貨の取引による収支を正確に計算し、利益や損失を把握するためのツールです。以下に、ツールの機能と使い方を簡単に説明します。取引履歴のインポート: 取引所からダウンロードした取引履歴データ(CSVやExcelファイルなど)をインポートできます。このデータには、取引の詳細な情報(取引日時、取引ペア、購入価格、売却価格、手数料など)が含まれています。自動計算機能: インポートした取引履歴データを基に自動的に収支や手数料を計算します。レポート作成: 計算結果をレポートとして出力する機能も提供しています。計算ツールを利用すると、上記のようなエクセルを使用したマニュアルでの計算は一切不要!使い方は簡単です。取引履歴データを計算ツールにインポートするだけで、システムが自動で収支を出してくれます。bitFlyerの取引履歴ファイルを計算ツールにアップロードして計算した結果はこちら!(取引履歴データのアップロード方法はこちらをご覧ください。)エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。こちらは総平均法での計算結果になりますが、設定を切り替えれば移動平均法にも簡単に変えられます。関連記事【比較表付き】失敗しないbitbank損益管理!Excelと計算ツールを比較して詳しく解説Binance Japan(バイナンス・ジャパン)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しようBitTrade(ビットトレード)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しよう