仮想通貨取引において、国内で高い人気を誇る取引所の一つにコインチェック(Coincheck)があります。コインチェック(Coincheck)は、2014年からサービスを提供している暗号資産取引所で、2024年12月11日には親会社であるCoincheck Group N.V.が米国ナスダック市場に上場し、国際的なプレゼンスをさらに高めています。Coincheckはビットコインやイーサリアムをはじめとする30種類の暗号資産の取引が可能で、スマホアプリやNFTマーケットプレイスなど、魅力的な機能を提供しています。どんなに魅力的な機能がある取引所で取引をしていても、忘れてはいけないのが「収支の把握」。あなたは、取引による損益をきちんと計算できていますか?「コインチェックで取引しているけど、どのくらい儲かっているか分からない」「取引履歴の見方がよく分からない」「収支の計算方法が難しくて手をつけられていない」そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、コインチェック(Coincheck)を使って仮想通貨取引を行っている方向けに、損益の確認方法について詳しく解説していきます。記事では、コインチェックで取得できる取引履歴の確認方法手計算での損益計算の流れツールを使った効率的な損益計算の方法をそれぞれ分かりやすくご紹介します。ぜひ参考にして、日々の取引や確定申告に役立ててくださいね!コインチェック(Coincheck)とはどんな取引所?コインチェック(Coincheck)は、日本で人気のある暗号資産(仮想通貨)取引所の一つです。ビットコインをはじめとするさまざまな暗号資産を、安全かつ簡単に売買できるサービスを提供しており、初心者から上級者まで多くのユーザーに利用されています。そんなコインチェックでは、スマホアプリで簡単に取引ができ、暗号資産の売買以外にも自分の持っている暗号資産をコインチェックに貸し出すことで、利息を受け取ることができる「貸暗号資産サービス」や、デジタルアートやゲームアイテムの取引が行える「NFTマーケットプレイス」のようなサービスも行っています。コインチェック(Coincheck)の取引データをダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(csvファイル)が必要になります。Coincheckの取引アカウントにログイン後、「取引履歴」の画面から「業界フォーマットはこちら」から取引データを取得することができます。詳しい取引データの取得方法は「コインチェック(Coincheck)の取引データ取得方法」から確認することができます。コインチェック(Coincheck)の取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの見方を解説していきます。※Coincheckでは複数のフォーマットのファイルがありますが、今回はその中でも上記で説明した「業界標準フォーマット」のファイルについて解説します。取引日時 :取引が発生した日時取引種別 :取引の種類取引形態 :自己または媒介などの取引形態通貨ペア :取引した通貨のペア増加通貨名 :取引で増加した通貨名増加数量 :増加した通貨の数量減少通貨名 :取引で減少した通貨名減少数量 :減少した通貨の数量約定代金約定価格:取引した1通貨あたりの金額(JPY)手数料通貨 :手数料で支払った通貨手数料数量 :手数料で支払った通貨の数量手計算をして損益を確認する取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてCoincheckの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法がありますが、それぞれの方法で損益を求めるやり方をご紹介していきます。1. 総平均法の場合総平均法とは、特定の期間内に取引した通貨の平均単価を取得原価とし、この取得原価をもとにして収益を計算する方法です。では、以下のCoincheckのデータを使用して、総平均法で損益計算を行っていきます。総平均法の計算式総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すまずは「平均取得単価」を算出するため、上記のデータのBTCを購入した明細から関連する数値を抜き出します。取引種別増加通貨名増加数量減少通貨名減少数量2行目購入BTC0.08JPY1202817.123行目購入BTC0.02JPY298658.146行目購入BTC0.08JPY1182658.4合計0.182684133.66その後、「暗号資産の売却総額」と「売却数量」を算出するために、上記のデータのBTCを売却した明細から関連する数値を抜き出します。取引種別増加通貨名増加数量減少通貨名減少数量4行目売却JPY652716.72BTC0.045行目売却JPY826661.8BTC0.057行目売却JPY1004207.54BTC0.072483586.060.16Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な以下の数字を洗い出します。「売却総額」:売却した時の「増加数量」の総額→2,483,586円「売却数量」:売却した時の「減少数量」の総数→0.16BTC「平均取得単価」:購入した時の「減少数量」の総額を「増加数量」の総数で割った金額→14,911,854円Step 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。[暗号資産の売却総額:2,483,586円]ー[取得価格(平均取得単価:14,911,854円 × 売却数量:0.16BTC)]= 97,689円2. 移動平均法の場合次に、上と同じCoincheckの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得原価を算出し、この平均取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法の計算式移動平均法とは取引のたびに現在の取引価格と保有数から平均取得原価を出し、この取得原価をもとにして収益を計算する方法です。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すまずは「平均取得単価」を算出するために、上記の取引データから関連する数値を抜き出し、「BTCの数量」、「所持しているBTCの取得額」を求めます。取引種別増加通貨名増加数量減少通貨名減少数量所持しているBTCの数量所持しているBTCの取得額平均取得単価2行目購入BTC0.08JPY1202817.120.081202817.12150352143行目購入BTC0.02JPY298658.140.101501475.26150147534行目売却JPY652716.72BTC0.040.06900885.16150147535行目売却JPY826661.8BTC0.050.01150147.53150147536行目購入BTC0.08JPY1182658.40.091332805.93148089557行目売却JPY1004207.54BTC0.070.02296179.0914808955このデータの詳細は以下のように算出しております。所有しているBTC数量:取引種別が「購入」の時はBTC数量に「増加数量」を+、取引種別が「売却」の時はBTC数量に「減少数量」を-する所持しているBTCの取得額:取引種別が「購入」の時は所持しているBTCの取得額に「減少数量」の値を+、取引種別が「売却」の時はこの取引時点までの取得単価×BTC数量を行います平均取得単価:取引種別が「購入」の時は「所持しているBTCの取得額/BTC数量」の値となっており、取引種別が「売却」の時はこの取引時点までの取得単価を引き継ぎますStep 2:各売却明細の損益を算出する例えば、4行目の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額(増加数量)652,717円]ー[取得価格(平均取得単価15,014,753円 × 売却数量(減少数量)0.04BTC)]=52,127円この売却で52,127円の利益が発生していることが分かります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[4行目の損益52,127円] + [5行目の損益75,924円]+ [7行目の損益-32,419円] =95,631円クリプトリンクの損益計算ツールで損益を確認する次にクリプトリンクの計算ツールを利用して損益を確認する方法を解説します。クリプトリンクは取引データをアップロードすることで、損益の計算を自動で行うことができる計算ツールです。以下では、計算ツールの主な機能と使い方について分かりやすくご紹介します。1.取引データの読み込みまずは、各取引所からダウンロードしたCSVやExcel形式の取引履歴ファイルをツールに取り込むことができます。このファイルには、日時や通貨ペア、購入・売却価格、手数料といった詳細な情報が含まれています。2.自動での損益計算取り込んだデータをもとに、ツールが自動的に利益・損失や手数料を計算してくれます。手作業での集計は不要です。3.レポートの作成計算された損益は、レポート形式で出力することも可能です。確定申告などにも活用できます。このように、エクセルを使って1つひとつ手作業で計算する必要はありません。取引履歴をアップロードするだけで、あとはツールが自動的に収支を算出してくれるので、とても便利です。Coincheckの取引データをアップロードすると、エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。上記は総平均法での計算結果になります。移動平均法での計算結果は以下となります。計算結果を収支レポートとして、出力する機能もあるので、申告の際はご利用ください。まとめコインチェック(Coincheck)は、2014年からサービスを提供している国内取引所で、親会社であるCoincheck Group N.V.が米国ナスダック市場に上場しています。様々なサービスを提供しているコインチェック(Coincheck)ですが、仮想通貨の取引を行う上では、正確な損益の把握が欠かせません。特に確定申告を行う際には、収支計算の正確性が求められます。本記事では、コインチェックの取引履歴の見方総平均法・移動平均法による手計算の方法ツールを使った損益の自動計算方法について、実例を交えて詳しく解説しました。時間や労力をかけて手作業で計算するのが大変という方には、クリプトリンクの損益計算ツールを活用してみてはいかがでしょうか。取引履歴をアップロードするだけで、収支が自動で計算され、収支レポートまで出力できるため、手間を大幅に削減できます。コインチェックを利用されている方は、本記事を参考にして、日々の取引の損益をしっかり管理し、安心・安全な仮想通貨ライフを送りましょう。関連記事GMOコインの損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを活用して確認しようbitFlyer(ビットフライヤー)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しようOKJ(旧OKCoinJapan)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しようbitbankの損益計算はどうやるの?Excelと計算ツールを比較して詳しく解説!