ビットコインを始めとする仮想通貨への投資は日本でも広がりを見せており、これから仮想通貨投資を始めたいという方も多いと思います。ですが、仮想通貨投資について検索してみると「大きく稼げる可能性がある」「将来性がある市場」などというメリットが出てくる反面、ネガティブな情報も多く出てきます。ですから、「仮想通貨投資をする前に知っておくべきことってあるの?」「運用にあたってどんなリスクに気を付ければいい?」「どう対策すればいいの?」こんな不安が出てきて、どうしても投資に対して億劫になってしまいますよね。そこで本記事では、仮想通貨投資をするにあたってのリスクや注意点とその対策方法をまとめました。これを読めば仮想通貨投資の基礎的な注意点と対策がわかりますので、これから投資を始めようという初心者の方はもちろん、まだ仮想通貨投資の経験が浅いという方もぜひご一読ください。この記事の要約仮想通貨投資はまず国内取引所から始めよう仮想通貨投資には「ボラティリティが大きい」「仮想通貨特有の詐欺がある」「損益計算が煩雑」などのリスク・注意点があるリスク・注意点の対策として「仕組みを学び慎重に投資する」「セキュリティ対策を万全にする」「損益計算ツールを使う」などが挙げられる損益計算は煩雑でも毎年行う必要があるが、ツールを使えば簡単にできる仮想通貨投資のリスク・注意点とは?では、実際に仮想通貨投資をしていく前にリスクや注意点について学んでいきましょう。仕組みが複雑で難しいどんな投資でも投資をするにあたって投資対象を調べますよね。株式であれば企業の経営状況など、FXであれば各国の政治・経済状況などですが、仮想通貨の場合はそもそも各種銘柄を調べる以前に仮想通貨という仕組みそのものが難解です。いくつも専門書が発売されているほどですから、IT分野の専門家であればまだしも、これから投資をしようという方が完全に理解することは非常に難しいと言わざるを得ません。投資にあたっては完全に理解するほどの知識は不要かもしれませんが、簡単にでも知っておく必要はありますので、他の投資対象と比べても少々ハードルは高くなってしまいます。ボラティリティが大きい仮想通貨は株式などと比べてボラティリティが非常に大きいです。例として、ビットコインでは米大統領選の影響で2024年11月~12月にかけて50%近く価格が急騰している一方、2025年の2月~3月には20%近く下落している局面もありました。米大統領選などのイベントがあったとはいえ短期間でとても大きな変化を記録しており、普段イベントがない場合でも他の投資に比べて大きな変動を繰り返しています。特に「ミームコイン」と呼ばれるコミュニティに依存して価格が変動する通貨は、仮想通貨の中でもボラティリティが大きいと言われ、初心者向けではありません。逆に利益も大きくなりやすいので利点と捉える方もいるかもしれませんが、それは経験などから値動きを読めるようになってからで、基本的に安定した投資には向かないので注意が必要です。仮想通貨特有の詐欺がある仮想通貨には仮想通貨特有の詐欺があります。もちろん、仮想通貨でも一般的な投資詐欺である「投資の話を持ち掛けて出資させ、金銭を騙し取る」といった事件は多く発生しています。この一般的な投資詐欺についても、海外送金が簡単にできてしまうことや仕組みが難しいためよくわからないまま操作を促されるといった点で仮想通貨では注意が必要です。ですが、仮想通貨の場合はこれに加えて、ウォレットアドレスとパスワードなどの情報を盗み出そうとするフィッシング詐欺や、似たウォレットアドレスを用いて誤送金を誘うアドレスポイズニングといった手法があり、仮想通貨だからこその対策が必須です。また、これらの詐欺以外にもセキュリティの脆弱性をついてウォレットから通貨を盗み出したり、異常な取引を行ったりといったハッキングリスクがあることにも注意しておかなければなりません。仮想通貨特有の価格崩壊リスクがある仮想通貨には株式やFXなどとは違った仕組みで発生する価格崩壊のリスクがあります。たとえば株式では、ある企業の製品に不具合が見つかったといった場合に価格崩壊リスクが存在します。仮想通貨にも、ある銘柄の基盤となるプロジェクトに重大な変更が加えられたり、セキュリティの脆弱性が判明したりといった場合に価格崩壊リスクがありますが、これ以外にも価格崩壊が発生する場合があります。過去の事例では「テラショック」をご存じでしょうか?これはUSTという米ドルと連動するステーブルコインが米ドルとの連動を外れ、その連動を担保していたLUNAという仮想通貨が一週間でなんと99%を超える下落を記録した事件です。また、2024年にはBOGEやNORMIEといった通貨がブロックチェーン自体をハッキングされて異常発行されたため、価格が99%を超える下落となった事件も発生しています。どちらも仮想通貨特有のシステムだからこそ発生した事件ですので、市場やプロダクト要因以外でのシステム的な価格崩壊リスクがあることは理解しておきましょう。所得税が最大45%かかる2025年5月現在、日本では仮想通貨取引によって得た所得は「雑所得」に分類されます。この雑所得は他の所得と合算して計算される「総合課税」に分類され、所得の大きさに応じて税率が変化する「累進課税制度」が適用されるため、最大で45%もの所得税を課される可能性があります。以下は累進課税制度における所得税の税率表です。また、所得税以外にも住民税が別途10%かかってきますので、これらを合計すると最大で実に55%もの税金を支払わなければなりません。一方で、株式や国内FXは「申告分離課税」の対象であり、こちらは所得が大きくなっても所得税15%、住民税5%合わせて20%で一律の税率となっています。ただ、雑所得の場合でも課税対象となる所得金額が3,299,000円までであれば、所得税が10%に抑えられ住民税と合わせても20%以下に留められるので、この金額以下であればデメリットになりません。課税対象となる所得金額が3,300,000円以上となる場合には、住民税とあわせた税率が株式や国内FXより高くなってしまいますが、税率が一気に高くなるわけではありませんので、仮想通貨市場の景気が良く利益が大きくなりそうな年度には、利確する際に税率に注意しましょう。これらについては別の記事でも解説していますので、詳しくは以下の記事をご覧ください。【高すぎる!】最大55%の仮想通貨(暗号資産)の税金がやばい仕組みとは?理由と節税対策を紹介損益計算が煩雑で面倒仮想通貨の損益計算は煩雑で、取引回数や取引の種類が多くなってくると自分一人で行うことは非常に困難です。まず、個人の場合基本的には「総平均法」という計算方法を用いて損益を計算しますが、これは一年間全体の取引と時価を用いて、すべての取引所を合算して行います。この計算方法では一年間の実際の利益と大きく乖離することがあり、単にそれぞれの取引所から確認できる年間取引報告書だけを見ればよいわけではありません。ですので、損益は別途計算しなければなりませんが、取引を行った時の内容や時価を正しく記録しておかなければ計算できませんし、その計算も取引種別によって計算式が変わってきます。一つの取引所で何度か売買を行った程度であれば問題ないかもしれませんが、取引所を多数使っていたり、ステーキングやレンディングなど多様な取引を行っていたりすると手に負えなくなってきます。注意点やリスクの対策をするには?ここまで注意点やリスクを紹介しましたが、どれもしっかりと対策をすればリスクを減らすことができます。仕組みを学んで慎重に取引するまずは仮想通貨の仕組みと、可能であれば各銘柄の特徴を少しでも調べておくことが大切です。仮想通貨全般の簡単な仕組みについては以下の記事で解説していますので、興味のある方はこちらもご覧ください。仮想通貨の仕組みとは?ブロックチェーンとは何かやメリット・デメリットを分かりやすく解説!各銘柄については、たとえばDOGEやSHIBといった通貨を調べてみると「ミームコイン」というコミュニティ依存でボラティリティが高く、投資初心者向きでない種類の銘柄であることがわかりますね。仮想通貨の中にも、USDTやUSDCといった「ステーブルコイン」、DOGEなどの「ミームコイン」、CAKEなどDEX(分散型取引所)の「ガバナンスコイン」などさまざまな種類があり、それぞれが独自のロードマップを持っています。まずは自分が投資しようとしている通貨がどんな種類の通貨で、どんなロードマップを描いているか簡単に調べてみることをおすすめします。その上で、仮想通貨はボラティリティが大きいものであるとの注意点を忘れないようにしながら、余裕資金の範囲内で慎重に投資をしていきましょう。セキュリティ対策を万全にする次に、投資を始めたら常にセキュリティ対策を意識して万全にしておきましょう。といっても、何をすればよいかわからない部分があるかもしれないので簡単にできる対策をまとめてみました。パスワードはなるべく複雑なものにし、絶対に誰にも教えない意識を持つパスワードは記録しないのがベストだが、記録するならオフライン環境で管理する取引所を騙ってURLをクリックさせようとするメールは無視、心配なら一旦公式サイトから確認しよう仮想通貨に出資させようとする話やDMなども無視!PC、スマホ、使っているブラウザなどのセキュリティソフトは常に最新版にする送金などの取引を承認するときは、一旦内容やアドレスをしっかり確認する仮想通貨投資でも一般的な投資詐欺に対する対策とあまり変わりはありませんが、フィッシング詐欺やハッキングへの対策といったデジタル的な部分でのリテラシーを持っておく必要があります。普段からフィッシング詐欺やハッキングなどのニュースに目を通しておき、どんな手口で行われているのか簡単にでも知っておくと、怪しいメールやDMを見抜く助けになります。過去に起きた詐欺事件について以下の記事でまとめていますので、詐欺対策のための知識としてぜひご一読ください。仮想通貨の詐欺事件まとめ!逮捕者が出た事例や見分け方・回避方法について解説また、送金や売買がワンクリックで簡単にできてしまうからこそ、取引を承認する際には一旦立ち止まって確認するクセを付けておきましょう。すぐに価格が大きく変わってしまうからといって焦ってクリックしてしまい、まったく違うウォレットアドレスに送金してしまったら目も当てられません。損益計算ツールを使うリスク・注意点の解説の最後で「損益計算が非常に煩雑である」との注意点を述べました。初心者の方にとっては「総平均法」という計算方法に馴染みがありませんし、取引種別によって利益の算出方法が異なり、取引した時点での時価も記録しておかなければならないとなると、一人で正確な計算を行うのは困難です。これは制度のお話ですので対策のしようがないように思えますが、実はそんな煩雑な損益計算をサポートするツールが提供されています。「クリプトリンク」では、取引所から取得できる取引明細をアップロードするだけで自動的に損益を計算することができます。損益計算ツールを使えば、取引履歴さえ取得できれば取引内容や時価を記録していなくても計算できますし、間違った確定申告をしてしまうリスクを減らせます。確定申告が必要なのに誤った損益計算をしたことで申告しなかったり、間違った所得で確定申告をしてしまったりすると、「無申告」や「過少申告」としてペナルティが課される可能性があります。こうしたペナルティについては以下の記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。仮想通貨(暗号資産)の税金はバレる?バレない?無申告の危険性や確定申告の必要性を解説ペナルティが課されると余計に税金を納めなくてはならなくなるので、少しでも損益計算に不安を感じたら迷わず「クリプトリンク」などの損益計算ツールを利用しましょう。仮想通貨投資の始め方仮想通貨投資の注意点やリスク、その対策方法を理解したら、仮想通貨投資の始め方を簡単にご紹介します。国内から仮想通貨投資を行う場合、基本的には国内の仮想通貨取引所に口座を開設するところから始めなければなりません。たとえば「海外取引所のBybitやBitgetで取引をしたい!」と思っていたとしても、多くの海外取引所には日本円を入金できませんし、国内で発行されているクレジットカードの多くは直接仮想通貨を買うことができないようになっています。また、仮想通貨投資について深く調べた方の中にはDeFiに興味を持たれた方もいるかもしれませんが、DeFiを利用する場合でもウォレットを作成して元手となる仮想通貨を入れる必要があります。ですので、どんな取引をするにしても初心者の方はまず国内の仮想通貨取引所に口座を開設するのがもっとも簡単です。いくつかの取引所の利用方法についてブログ記事にまとめていますので、興味のある方はこちらも参考にしてください。OKJで仮想通貨(ビットコイン)を買う方法から税金の計算、確定申告のやり方まで完全解説ビットバンク(bitbank)で仮想通貨(ビットコイン)を買う方法から税金の計算、確定申告のやり方まで完全解説口座を開設後、海外取引所やウォレットで取引を行いたい場合、国内取引所で仮想通貨を購入してその仮想通貨を目的の取引所やウォレットに送金するプロセスを踏む必要があります。ですが、最近では国内取引所でも売買だけでなくステーキングやレンディングといった仮想通貨独自の取引ができるところが増えてきています。ですので、まずは国内取引所で取引に慣れたり、さまざまな取引について理解したりしてから海外取引所やDeFiに挑戦していくことをおすすめします。仮想通貨投資をしたら損益計算をしよう前章では誤った確定申告をしてしまう可能性も加味し、「損益計算が非常に煩雑」という注意点に対する対策として損益計算ツールの利用をおすすめしましたが、そうした懸念がなくても仮想通貨投資をしたら損益計算をしましょう。ほとんど利益が出ていない、むしろ明らかに損失しか出ていない場合でも「損失だから確定申告しないし損益計算しないでいいや」と投げ出さず、損益計算をすることをおすすめします。なぜなら、たとえ損失だった場合でも、その年に取得した仮想通貨やその価格を翌年に引き継ぐ必要があるからです。逆に損失が出たからといって損益計算をしなかった場合、翌年に確定申告をしなければならないとなった際、昨年からの引継ぎができていないため昨年分の損益計算から始めなければならなくなります。ですので、仮想通貨取引を始めたら以後毎年必ず損益計算を行うことが理想です。その際には、ぜひ取引履歴をアップロードするだけで自動的に損益計算が行える「クリプトリンク」を利用してみてはいかがでしょうか。詳しい使い方については以下の記事で解説していますので、ぜひ一度ご確認ください。「リニューアル版」損益計算ツールの収支計算方法をご紹介します!まとめここまで仮想通貨投資のリスク・注意点とその対策について解説してきましたが、仮想通貨投資には仮想通貨だからこそのリスクや注意点がつきものです。余裕資金で慎重に投資をしていくという投資の基本を守っていれば避けられるものも多いので、対策をしっかりして仮想通貨投資に臨んでいきましょう。その一方で、税務や損益計算に関しては複雑な取引になってくると専門的な知識が必要になってきます。この辺りは「クリプトリンク」などのツールに任せるなど、現在は仮想通貨投資をサポートするツールも多くありますので、上手く活用して投資していきましょう。関連記事ビットコインはやめたほうがいい?やめとけと言われる理由やリスクを徹底解説!【仮想通貨(暗号資産)】コインチェック事件とは?経緯や原因・犯人・事件のその後を徹底解説