仮想通貨取引でDeFiを利用していて、ブロックチェーンをまたいで取引したいと思ったことはありませんか?EthereumはEthereumチェーン、PolygonはPolygonチェーン、AvalancheはAvalancheチェーンがありますが、それぞれのチェーンは繋がっているわけではありません。そのため、EthereumチェーンからPolygonチェーンへ通貨を移したいと思った時は、ブロックチェーンのブリッジを行う必要があります。ですが、プライベートウォレット内の通貨を別のチェーンにブリッジする場合、取引所などを使わずに行うことが多いため、取引履歴は簡単に確認できません。本記事では実際にEthereumとPolygonでのブリッジを実際に行い、ブロックチェーンのブリッジとは何かEthereumとPolygonでのブリッジのトランザクション(取引履歴)の見方EthereumとPolygonでのブリッジの収支計算方法について詳しく紹介していきます。ほかのチェーンのブリッジに関する記事はこちらからご覧ください。「登録方法も解説!EthereumとAvalancheでのブリッジのトランザクションを調べてみた」ブロックチェーンのブリッジとはブロックチェーンのブリッジとは、2つのブロックチェーン間で仮想通貨やデータのやり取りを行うことです。ブロックチェーンは、BTCやETH、MATIC、AVAXなどでそれぞれ別のチェーンがあり、それらは相互に繋がっておらず、独立しています。ブロックチェーンが他のチェーンやネットワークとは独立していることは、セキュリティを高める上で非常に重要なポイントですが、ブロックチェーンが発展するにつれて、異なるブロックチェーン上にある仮想通貨を移動させたいという需要が高まりました。そこで、2つの異なるブロックチェーン間での仮想通貨の移動を目的として開発されたのがブリッジという技術です。EthereumからPolygonへブリッジしてみたでは、ここからは実際にEthereumからPolygonへブリッジしたトランザクションを見ていきましょう。ETHのブリッジERC20のブリッジこの2つのブリッジをやってみました。ETHのブリッジまずはEthereumからPolygonへETHをブリッジしてみました。ETH(Ethereumチェーン) => WETH(Polygonチェーン)Ethereumからブリッジする際、EthereumチェーンからPolygonチェーンにETHがブリッジされますが、その過程でETHはWrapped Ether(WETH)に変換されます。順にトランザクションを見ていきましょう。まず、ETHをEthereumチェーンからPolygonチェーンへブリッジする取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0x706b44e745f9f6fdfc5f8b1c9e71ac75fabde791b188cd8e3a070c8f7cd65730これをEthereumscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToPolygon (Matic): Bridgeメソッド名depositEtherForTransaction Action0.01330114 ETH を Polygon (Matic): BridgeへDepositTransaction Fee0.000540603 ETHさらに、Transferの内容を見てみますと、以下のようになっています。Polygon (Matic): Bridge ↓0.01330114 ETHPolygon (Matic): Ether Bridge続いて、PolygonチェーンでETHを受け取る取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0xb9befad698eede4953ad1a222a07a1eb604a5b0a79c7f1ec1e8d9b5362735c53これをpolygonscanで見てみると、以下の情報がわかります。FromNullToNullメソッド名0xTransaction Action0.01330114 WETHがEthereumからあるアドレスへDepositTransaction Fee0 MATICさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。Null ↓0.01330114 WETH自分Null ↓260.19785315779093628 hMATICHop Protocol: MATIC BridgeHop Protocol: MATIC Bridge ↓260.19785315779093628 hMATICHop Protocol: MATIC WrapperHop Protocol: MATIC Wrapper ↓260.19785315779093628 hMATICHop Protocol: MATIC Liquidity PoolHop Protocol: MATIC Liquidity Pool ↓260.226925822765147441 WMATICHop Protocol: MATIC Wrapperつまり、トランザクションを発行した自分を軸にして見ますと、Ethereumチェーンで、0.01330114 ETH を 「Polygon (Matic): Bridge」へ送るPolygonチェーンで、Nullから0.01330114 WETHを受け取るという取引が行われていることがわかります。ERC20のブリッジ次に、EthereumからPolygonへERC20であるGLQをブリッジしてみました。GLQ(Ethereumチェーン)=> GLQ(Polygonチェーン)まず、EthereumチェーンでGLQを送付する取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0xcdcd6c84442f4233150fb64a892ce0cb1bd3026187f55ba46e6ddd7db32f3e22これをEthereumscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToPolygon (Matic): Bridgeメソッド名depositForTransaction Action12,437.69130938342495583 GLQをPolygon (Matic): BridgeへDepositTransaction Fee0.001110829005307665 ETHさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。自分 ↓12,437.69130938342495583 GLQPolygon (Matic): ERC20 Bridge続いて、PolygonチェーンでGLQを受け取る取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0xe4bae545bfe425716370520c7193690851cde18b1bee7b8d57354d27f98ae313これをpolygonscanで見てみると、以下の情報がわかります。FromNullToNullメソッド名0xTransaction Action12,437.69130938342495583 GLQがEthereumからあるアドレスへDepositTransaction Fee0 MATICさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。Null ↓12,437.69130938342495583 GLQ自分つまり、トランザクションを発行した自分を軸にして見ますと、Ethereumチェーンで、12,437.69130938342495583 GLQを「Polygon (Matic): Bridge」へ送るPolygonチェーンで、Nullから12,437.69130938342495583 GLQを受け取るという取引が行われていることがわかります。PolygonからEthereumへブリッジしてみた続いて、PolygonからEthereumへブリッジしたトランザクションを見ていきましょう。ETHのブリッジERC20のブリッジEthereumからPolygonへのブリッジと同様に、この2つのブリッジをやってみました。ETHのブリッジまずは、PolygonからEthereumへETHをブリッジしてみました。WETH(Polygonチェーン) => ETH(Ethereumチェーン)Polygonからブリッジする際は、PolygonチェーンからはWETHを送り、Ethereumチェーン上でETHを受け取ります。まず、PolygonチェーンでWETHを送付する取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0x374266a6d528bb3994d0356017ee42a0f23c410de5563409303e22fdbec402daこれをpolygonscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToWrapped Etherメソッド名withdrawTransaction Action0.155 WETHをEthereumへWithdrawTransaction Fee0.001267771576487202 MATICさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。自分 ↓0.155 WETHNull続いて、EthereumチェーンでWETHを受け取る取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0x1c3abf499c6e9748e6ca222c85463682a37410f8446b59df91bbd74a799a384eこれをEthereumscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToPolygon (Matic): Bridgeメソッド名exitTransaction Action0.155 ETH がPolygon (Matic)からWithdrawTransaction Fee0.00133809 ETHさらに、Transeferの内容を見てみますと、以下のようになっています。Polygon (Matic): Ether Bridge ↓0.155 ETH自分つまり、トランザクションを発行した自分を軸にして見ますと、Polygonチェーンで、Nullへ0.155 WETHを送るEthereumチェーンで、「Polygon (Matic): Ether Bridge」から0.155 ETHを受け取るという取引が行われていることがわかります。ERC20のブリッジ次に、PolygonからEthereumへERC20であるCOTをブリッジしてみました。COT(Polygonチェーン)=> COT(Ethereumチェーン)まず、PolygonチェーンでCOTを送付する取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0xfc173c2630c688c80393ff51eff0b297b343499c91018d39497f5530bd5421ceこれをpolygonscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToMapper: COT Tokenメソッド名withdrawTransaction Action10,182.701204403053941858 COTをEthereumへWithdrawTransaction Fee0.00099470784108128 MATICさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。自分 ↓10,182.701204403053941858 COTNull続いて、EthereumチェーンでCOTを受け取る取引で発行されたトランザクションハッシュは以下になります。0x54f3f55799cf500155ee55e06d0c072e35027e9d8875c56f7be68ebc111b804fこれをEthereumscanで見てみると、以下の情報がわかります。From自分ToPolygon (Matic): Bridgeメソッド名exitTransaction Action10,182.701204403053941858 COTがPolygon (Matic)からWithdrawTransaction Fee0.017555864486786472 ETHさらに、ERC-20 Tokens Transferredの内容を見てみますと、以下のようになっています。Polygon (Matic): ERC20 Bridge ↓10,182.701204403053941858 COT自分つまり、トランザクションを発行した自分を軸にして見ますと、Polygonチェーンで、Nullへ10,182.701204403053941858 COTを送るEthereumチェーンで「Polygon (Matic): ERC20 Bridge」から10,182.701204403053941858 COTを受け取るという取引が行われていることがわかります。クリプトリンクへ登録してみようそれでは、上記で説明したいくつかのブリッジを、仮想通貨の損益計算ツール「クリプトリンク」へ登録すると、どのような明細になるのかを見てみましょう。クリプトリンクでは、自分のウォレットアドレスを登録し、チェーンと取得開始日時を設定するだけで、自動でトランザクションデータを取得して、ウォレット明細を作成できます。まずは、ウォレットアドレスの新規登録を行います。トランザクションを自動で取得したい場合は、「自動取得」を選択し、チェーンと取得開始日時を入力します。上記の状態で「登録する」ボタンをクリックすると、アドレスが登録され、トランザクションも自動取得されて、ウォレット履歴の明細が作成されます。EthereumからPolygonへETHのブリッジした場合まずは、EthereumからPolygonへETHのブリッジをした履歴を確認しましょう。先ほどの取引の履歴は以下です。1.Ethereumチェーンで、0.01330114 ETH を 「Polygon (Matic): Bridge」へ送る取引日時2024年4月26日8時8分35秒チェーンEthereum取引内容ETHを送付2.Polygonチェーンで、Nullから0.01330114 WETHを受け取る取引日時2024年4月26日8時29分46秒チェーンPolygon取引内容WETHを受取クリプトリンク上では、以下のウォレット明細が確認できます。このウォレット明細を「登録」しますと、以下のように「収支計算」画面に明細が登録されます。1.ETHとWETHの交換処理2.交換処理の手数料EthereumからPolygonへERC20のブリッジした場合続いて、EthereumからPolygonへERC20のGLQのブリッジをした履歴を確認しましょう。先ほどの取引の履歴は以下です。1.Ethereumチェーンで、12,437.69130938342495583 GLQを「Polygon (Matic): Bridge」へ送る取引日時2024年4月22日21時7分59秒チェーンEthereum取引内容GLQを送付2.Polygonチェーンで、Nullから12,437.69130938342495583 GLQを受け取る取引日時2024年4月22日21時29分30秒チェーンPolygon取引内容GLQを受取クリプトリンク上では、以下のウォレット明細が確認できます。このウォレット明細を「登録」しますと、以下のように「収支計算」画面に明細が登録されます。1.GLQの送付処理2.送付処理の手数料3.GLQの受取処理PolygonからEthereumへETHのブリッジした場合次に、PolygonからEthereumへETHのブリッジをした履歴を確認しましょう。先ほどの取引の履歴は以下です。1.Polygonチェーンで、Nullへ0.155 WETHを送る取引日時2024年4月23日4時17分43秒チェーンPolygon取引内容WETHを送付2.Ethereumチェーンで、「Polygon (Matic): Ether Bridge」から0.155 ETHを受け取る取引日時2024年4月23日11時54分47秒チェーンEthereum取引内容ETHを受取クリプトリンク上では、以下のウォレット明細が確認できます。このウォレット明細を「登録」しますと、以下のように「収支計算」画面に明細が登録されます。1.WETHとETHの交換処理2.交換処理の手数料PolygonからEthereumへERC20のブリッジした場合最後に、PolygonからEthereumへERC20のCOTのブリッジをした履歴を確認しましょう。先ほどの取引の履歴は以下です。1.Polygonチェーンで、Nullへ10,182.701204403053941858 COTを送る取引日時2022年2月3日19時59分19秒チェーンPolygon取引内容COTを送付2.Ethereumチェーンで「Polygon (Matic): ERC20 Bridge」から10,182.701204403053941858 COTを受け取る取引日時2022年2月3日21時5分14秒チェーンEthereum取引内容COTを受取クリプトリンク上では、以下のウォレット明細が確認できます。このウォレット明細を「登録」しますと、以下のように「収支計算」画面に明細が登録されます。1.COTの送付処理2.送付処理の手数料3.COTの受取処理4.受取処理の手数料まとめ今回は、ブロックチェーンのブリッジについて説明し、EthereumとPolygon間でのブリッジを実際にやってみました。ブリッジをしたことがある方でも、トランザクションをここまでしっかりと確認したことのある方はいないのではないでしょうか。実際の取引がどうなっているのか、そしてそれが「クリプトリンク」ではどのように登録されるのか、を確認することで、作成されている取引履歴の理解が深まります。本記事で、ブリッジのトランザクションの見方をご紹介しましたので、今後ご自身の取引でも一度トランザクションを確認してみてはいかがでしょうか。