本記事では国内で利用者の多いGMOコインを利用の方向けに、現物取引の損益を確認する方法について詳しく解説します。表を使用した計算方法とクリプトリンクの計算ツールを活用する方法を併せてご紹介します。この記事の要約GMOコインは、GMOコイン株式会社が運営する国内の仮想通貨取引所取引履歴データ(現物取引)のダウンロード方法とデータの見方を解説総平均法と移動平均法の手計算のやり方を解説し、それぞれの損益を確認損益計算ツール「クリプトリンク」の特徴と使い方、手計算と損益が一緒になるのかを確認GMOコインの特徴GMOコインとは、GMOコイン株式会社が運営する国内の仮想通貨取引所です。2017年から運営されており、仮想通貨がバブルを迎えていた2021年から3年連続、オリコン顧客満足度調査の暗号資産取引所・現物取引部門で総合一位を獲得しています。そんなGMOコインの特徴を紹介します。GMOインターネットグループ傘下で信頼性が高いGMOコイン株式会社は東証プライム上場企業であるGMOインターネットが親会社なので、他取引所と比べても信頼性が高いことが人気な理由の一つです。GMOインターネットグループは多数の金融サービスを展開しているので、そういったノウハウが既にあることも信頼に繋がっています。手数料が低い上、Maker注文ではマイナス手数料がもらえる主に利用される現物取引の取引手数料が0.1%を下回っており、これは国内だけでなく海外の取引所を見てみても低い部類に入ります。さらに、Maker注文と呼ばれる「指値注文においてオーダーブックに値を並べる注文」を行い約定すると、マイナス手数料という本来払うはずの手数料が逆にもらえる制度が導入されています。多様な取引形態を提供ほとんどの取引所で提供されている販売所や現物取引だけでなく、証拠金取引やレンディング、ステーキング、自動積立といった取引がGMOコインだけで行えます。GMOコインの取引履歴データ(現物取引)をダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(csvファイル)が必要になります。GMOコインの取引データ取得方法に沿って取引履歴データをダウンロードします。GMOコインの取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの1行目の項目をそれぞれ解説していきます。GMOコインでは現物取引と証拠金取引の両方が一つのファイルに統合されているため、現物の項目と証拠金の項目、どちらも併せてご紹介します。日時:取引が発生した日時清算区分:日本円入出金、取引所現物取引、暗号資産預入・送付等の取引の種類日本円受渡金額:日本円の増減銘柄名:取引した通貨名注文タイプ:レバレッジ取引の注文の種類取引区分:新規、決済等のレバレッジ取引の取引種別売買区分:買は通貨の購入、売は通貨の売却を示します執行条件:指値、成行約定数量:取引が成立した通貨の数量約定レート:仮想通貨の対円レート約定金額:取引が成立した金額注文手数料:取引発生した手数料(マイナスの数量が記載されている場合は受取として扱う)レバレッジ手数料:レバレッジ取引で発生した手数料入出金区分:入出金区分(即時入金や出金等)授受区分:送付、預入等の仮想通貨の授受区分数量:送付、預入等の仮想通貨の数量送付手数料:送付で発生した手数料送付先/送付元:送付先/送付元取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてGMOコインの損益を確認してみましょう。手計算する場合は、手数料やスプレッドを見落としたり、行を見落としたりすると利益が5〜10%ズレてしまったり、課税対象額が数万円単位でズレたりすることがありますので、必ず二重チェックをするなど慎重に計算を行うようにしましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法がありますが、それぞれの方法で損益を求めるやり方をご紹介していきます。総平均法の計算方法はこちら、移動平均法の計算法はこちらを参考にご覧ください。【手計算】総平均法で損益を確認するでは、以下のGMOの取引データを使用して、総平均法で損益計算を行なっていきます。総平均法では任意の集計基準期間を通して購入した通貨の平均単価を取得原価とし、この取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から収益および保有資産の取得原価を算定します。総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却総額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。売買取得額 (JPY)取得数 (BTC)売却額 (JPY)売却数 (BTC)手数料 (JPY)2行目買100280.003513行目買191470.00814行目売117910.0055行目買201080.00926行目売331800.015合計492830.0205449710.024こちらの各項目の詳細は以下のようになっております。取得額:売買区分が「買」の時の約定金額取得数:売買区分が「買」の時の約定数量売却額:売買区分が「売」の時の約定金額売却数:売買区分が「売」の時の約定数量手数料:注文手数料Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な以下の数字を洗い出します。・「売却総額」:売買区分が「売」の時の約定金額(JPY)→44,971円・「平均取得単価」:総取得額(JPY)を総取得数(BTC)で割った金額 →2,404,049円・「売却数量」:売却した総数 →0.02BTCStep 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。暗号資産の売却総額:44,971円]ー[取得価格(平均取得単価:2,404,049円 × 売却数量:0.02BTC)]=-3110円上記での損益-3110円から手数料4円を引いた値が損益となります。【手計算】移動平均法で損益を確認する次に、上と同じGMOの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得原価を算出し、この平均取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。所持しているBTCの取得額BTC数量売却額(JPY)売却数量(BTC)取得単価(JPY)売却数量に対しての取得額損益2行目100280.003528650503行目291750.011525369574行目164900.0065117910.005253695712685-8945行目365980.015523611756行目11810.0005331800.015236117535418-2237合計-3131このデータの詳細は以下のように算出しております。所持しているBTCの取得額:売買区分が「買」の時は所持しているBTCの取得額に約定金額を+、売買区分が「売」の時はこの取引時点までの取得単価×BTC数量を行いますBTC数量:売買区分が「買」の時はBTC数量に約定数量を+、売買区分が「売」の時はBTC数量に約定数量を-する売却額:売買区分が「売」の時の約定金額売却数量:売買区分が「売」の時の約定数量取得単価:売買区分が「買」の時は「所持しているBTCの取得額/BTC数量」の値となっており、売買区分が「売」の時はこの取引時点までの取得単価を引き継ぎます売却数量に対しての取得額:売却数量×取得単価損益:売却額-売却数量に対しての取得額Step 2:各売却明細の損益を算出する例えば、4行目の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額11,791円]ー[取得価格(平均取得単価2,536,957円 × 売却数量0.005BTC)]=-894円この売却で894円の損あることが分かります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[4行目の損益-894円] + [6行目の損益-2237円] = -3131円売却時に発生する損益の合計-3,131円から手数料4円を引いた額が取引全体の損益となります。【損益計算ツール】クリプトリンクを使って損益を確認する次に、当社の暗号資産の損益計算ツールを使って損益を確認していきます。クリプトリンクの損益計算ツールは、暗号通貨の取引による収支を正確に計算し、利益や損失を把握するためのツールです。計算ツールを利用すると、上記のようなエクセルを使用したマニュアルでの計算は一切不要!使い方は簡単です。以下に、ツールの機能と使い方を簡単に説明します。取引履歴のインポート: 取引所からダウンロードした取引履歴データ(CSVやExcelファイルなど)をインポートできます。このデータには、取引の詳細な情報(取引日時、取引ペア、購入価格、売却価格、手数料など)が含まれています。自動計算機能: インポートした取引履歴データを基に自動的に収支や手数料を計算します。レポート作成: 計算結果をレポートとして出力する機能も提供しています。GMOコインの取引履歴ファイルを計算ツールにアップロードして計算した結果は以下になります。(取引履歴データのアップロード方法はこちらをご覧ください。)エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。こちらは総平均法での計算結果になりますが、設定を切り替えれば移動平均法にも簡単に変えられます。まとめ今回はGMOコインの取引履歴のダウンロード方法から損益計算のやり方まで解説してきました。Excelでの手計算とクリプトリンク、それぞれにメリットはありますが、簡単にまとめると以下になります。取引が月10回以下など少なければExcelでもOK。ただし手数料行の見落としに注意取引が増えたらクリプトリンクが圧倒的にラク&正確Excelでの手計算は無料で計算できますが、計算ロジックを間違えてしまったり、CSV形式が変わってしまったりすると、計算がうまくできずやり直ししないといけないですよね。取引件数が多い人や、自分で計算するのが面倒・心配だという人は、ぜひクリプトリンクを試してみてください。ご自身の損益を早めに把握して、含み益の売却タイミングや税金対策をプランニングできるようにしましょう。関連記事【比較表付き】失敗しないbitbank損益管理!Excelと計算ツールを比較して詳しく解説OKJ(旧OKCoinJapan)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しようBinance Japan(バイナンス・ジャパン)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しよう