近年、ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号資産)の普及が進む中、仮想通貨の相続の際の税金について気になっている方もいるのではないでしょうか?「ビットコイン(仮想通貨)の相続税ってどれくらいなの?」「相続に関連して発生する税金って何があるの?」「仮想通貨の相続で気をつけることはあるの?」このような疑問を抱いている方もいるでしょう。そこで本記事では、仮想通貨を相続する際の税金仮想通貨の相続で発生する税金の注意点や対策方法仮想通貨を相続する前にやっておくべきことについて詳しく解説します。仮想通貨を相続する場合、最大110%の税金が発生する可能性があります。そのため、仮想通貨を相続する際の税金の仕組みについて正しく理解し、事前に準備をしておくことが重要です。ビットコイン(仮想通貨)を相続するときにかかる税金はビットコインなどの仮想通貨を相続する場合、相続人は相続した時に「相続税」、相続した仮想通貨を売却した時に「所得税」の支払いが必要となります。「相続税」とは、被相続人の財産を相続する際に発生する税金で、これは最大で55%の税率がかかります。一方「所得税」は、個人の所得に対してかかる税金で、仮想通貨の売買やボーナス等で利益が出た場合も所得税の対象となります。これも最大で55%(住民税10%を含む)の税率がかかります。そのため、仮想通貨投資の額が大きいと、最大で110%もの税金がかかってしまう可能性があります。以下に仮想通貨を相続する際にかかる「相続税」と「所得税」について詳しく解説します。相続税仮想通貨を相続した場合、相続した時点の時価が評価額になり、それに基づいて最大で55%相続税が計算されます。以下は「法定相続分に応ずる取得金額」による「税率」の表になります。例えば、ビットコインを10BTC(相続時の時価1,000万円)とイーサリアムを100ETH(相続時の時価50万円)を相続した場合にかかる相続税を求めてみましょう。ビットコインの評価額は1億円イーサリアムの評価額は5,000万円となるので、合計1億5,000万円に基礎控除額3,600万円(*1)を引いた1億1,400万円に相続税がかかります。(*1)今回は相続人は1人として計算しています。相続人が複数人いる場合、基礎控除額は3,000万円+(600万円×〇人)となります。相続税は(上記の表から税率40%、控除額1,700万円)1億1,400万円 × 40% - 1,700万円 = 2,860万円となります。相続税の計算方法は国税庁のページにも記載されています。所得税相続された暗号資産を売却または他の仮想通貨に交換した時にも損益が発生し、利益が生じれば、所得税が発生します。以下は、国税庁に掲載されている「課税される所得金額」における「税率」の表になります。相続した仮想通貨を全量利確した場合の損益の計算方法(総平均法)は、売却額 - 取得原価で求めることができます。ここで注意が必要なのは「取得原価」です。ここでいう「取得原価」というのは、被相続人が仮想通貨を取得したときの取得価格になります。例えば、先ほどと同様に、ビットコインを10BTC(相続時の時価1,000万円)とイーサリアムを100ETH(相続時の時価50万円)を相続し、その仮想通貨を全量現金化(1億5,000万円に)した場合、1億5,000万円 - ( 3,000万円 + 2,000万円 ) = 1億円(被相続人が10BTCを3,000万円、100ETHを2,000万円で購入していたとする)1億円の利益が発生します。そのため所得税は1億円 × 45% - 4,796,000円 = 40,204,000円(実際は1億円に仮想通貨以外の収入も追加する必要があります)となります。この金額に相続税の2,860万円も支払うので、合計で約6,880万円ほどの支払いが発生します。仮想通貨を相続するときの注意点ここでは仮想通貨を相続する際の注意点について2つ解説します。まず1つ目は、「相続税」は仮想通貨を相続したとしても日本円で税金を収めなければならないという点です。相続した時点の時価が評価額として、相続した金額が課税対象となるため、仮想通貨の売却タイミングを逃すと支払いができなくなる可能性があります。例えば、ビットコイン10BTCを時価が1,100万円(10BTCで1億1,000万円)の時に相続をした場合、相続したビットコインを時価750万円(10BTCで7,500万円)の時に売却したとしても、1億1,000万円が課税対象となります。そのため、売却のタイミングについては慎重に見極める必要があります。そして2つ目は 、相続人が相続した仮想通貨を売却する際に、取得額がわからない場合、正しい損益の計算ができず、場合によっては「みなし取得価額」にて計算を行う必要がある。という点です。相続された仮想通貨を売却する際、被相続人が仮想通貨を取得したときの取得価格で計算することを先ほど説明しました。「みなし取得価額」は、令和元年度税制改正において、取得原価が不明な仮想通貨において、売却金額の5%を取得原価として認めると規定されており、場合によっては本来の損益より大きい金額が発生してしまう可能性があります。例えば、取得額5,000万円の通貨を1億5,000万円で売却した場合、本来なら1億円の利益に税金がかかりますが、取得額が不明の場合は、売却額1億5,000万円の5%である1,500万円を取得額としてみなして計算する必要がでてくるので、本来の利益より高い1億3,500万円に税金がかかってきます。そのため、ご自身の保有している通貨の取得原価を計算して、その計算結果をしっかりと保存しておくことが大切になってきます。仮想通貨の相続に関する税金の対策仮想通貨を相続する際、相続人は相続時に「相続税」がかかり、その仮想通貨を利確したり他の仮想通貨に交換したりした時に「所得税」がかかることを説明しました。これらの税金を対策するためにやっておくべきことは日ごろから保有している仮想通貨を整理して、必要に応じて売却するなどして過大な利益が発生しないように準備をしておくことです。相続後に仮想通貨を利確した場合、被相続人が取得した価格で損益が計算されるので、取得価格が低い仮想通貨を相続すると相続後に支払う税金が多くなってしまいます。そのため、取得価格が低い仮想通貨は売却したり、他の仮想通貨に交換したりするなどして、事前に利確しておくことをおすすめします。仮想通貨を相続する前にやっておくべきこと保有している仮想通貨の取得原価を適正な金額に調整しておくことも大切ですが、仮想通貨の取引所やウォレットのアカウント情報の整理をし、相続人に共有しておくことも重要です。相続人が相続する際、被相続者が利用していた取引所の手続きをする必要があります。取引所によっては、アカウントにログインすることが求められるため、情報が整理されていない場合、相続することが困難になるケースがあります。ウォレットについてもアカウントの情報が整理されていない場合、自分以外の誰かが接続することは非常に困難なため、ウォレットに入っている仮想通貨を引き出せない可能性があります。そのため、ご自身の利用している取引所やウォレットの情報は整理して保管しておくことが大切になってきます。まとめ本記事では仮想通貨を相続する際の税金仮想通貨の相続で発生する税金の注意点対策方法仮想通貨を相続する前にやっておくべきことを解説しました。仮想通貨を相続した時に発生する「相続税」、その仮想通貨を売却することで発生する「所得税」の2つの税金がかかります。この税金の対策として、仮想通貨に関する相続の仕組みを理解し、保有している仮想通貨の取得原価や保有状況の整理を行い、取得原価を適切な金額に調整しておくことが大切になってきます。また、仮想通貨の取引所やウォレットのアカウント情報の整理をし、相続人にあらかじめ共有することも大切なので、日ごろから仮想通貨やアカウントの情報はしっかりと整理しておきましょう。仮想通貨の相続がお困りの方は、以下で無料相談を受け付けているのでぜひご相談ください。仮想通貨の節税サービス関連記事【初心者必見】仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の税金とは?基本の計算から確定申告まで丸わかり仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の節税・税金対策をご紹介【高すぎる!】仮想通貨の税金はなぜやばい?最大55%課税の仕組みと即効節税術も紹介