仮想通貨取引を行う中で、LINEアプリ内から手軽に取引ができる「LINE BITMAX(ラインビットマックス)」は、多くのユーザーに利用されています。LINE BITMAXは、LINEグループ傘下のLVC株式会社が運営する国内の仮想通貨取引所で、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、カイア(KAIA)などを取り扱っています。日常的に使い慣れたLINEアプリからアクセスできることもあり、近年ますます注目を集めています。そんなLINE BITMAXで取引をしている中で、つい後回しにしてしまいがちなのが「損益の把握」です。あなたは、自分の仮想通貨取引の収支をきちんと把握できていますか?「LINE BITMAXで仮想通貨を買ってるけど、実際の利益がどれくらいあるか分からない…」「取引履歴の見方や損益計算の方法が分からない」「確定申告の直前になって毎年バタバタしてしまう…」こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?そこで本記事では、LINE BITMAXを利用している方向けに、損益の計算方法や確定申告に向けた準備方法をわかりやすく解説していきます。記事では、LINE BITMAXで取引履歴を確認する方法手動で損益を計算する手順効率よく収支を管理できる便利ツール「クリプトリンク」の活用法について、それぞれ丁寧にご紹介します。仮想通貨の収支をしっかり管理して、確定申告に備えるとともに、より安心して取引を続けられるようにしましょう!この記事の要約LINE BITMAXは、LINEアプリ上で仮想通貨の取引ができる国内の暗号資産取引所である口座開設後、ビットコインやKAIAなどの売買、信用取引、貸暗号資産などが利用可能LINE BITMAXでの取引履歴の取得方法、データの見方を解説手計算による損益計算(総平均法・移動平均法)を詳しく解説クリプトリンクを使った自動損益計算の手順も紹介(PDFからExcelへの転記が必要)LINE BITMAXとはどんな取引所?LINE BITMAX(ラインビットマックス)は、コミュニケーションアプリ「LINE」から直接アクセスできる国内仮想通貨取引所です。LINEアプリ上の「ウォレット」タブからすぐにアクセスできるため、手軽に利用しやすいのが大きな特徴です。LINE BITMAXでは、2025年6月現在、以下の7種類の暗号資産を取り扱っています。ビットコイン(BTC)イーサリアム(ETH)リップル(XRP)ビットコインキャッシュ(BCH)ライトコイン(LTC)ステラルーメン(XLM)カイア(KAIA)これらの通貨は、すべて販売所形式(LINE BITMAXが提示する価格での取引)での現物取引に対応しており、少額からの購入にも対応しています。さらに、KAIAについては唯一、板取引(オーダーブック方式)にも対応しており、より細かい価格設定での売買が可能です。また、LINE BITMAXでは、現物取引だけでなく、信用取引(レバレッジ取引)にも対応しており、よりアクティブなトレードを行いたいユーザーにも選ばれています。加えて、暗号資産の貸出サービス(貸暗号資産)も提供しており、保有する暗号資産を一定期間貸し出すことで、利息を得る運用も可能です。LINE BITMAXの取引履歴データをダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(PDFファイル)が必要となります。LINE BITMAXの取引報告書は登録しているメールアドレス宛てに定期的に発行されます。また、LINEアプリ上から改めて、メールアドレス宛に発行することができます。※損益計算で使用する取引報告書は「四半期」の明細となるため、複数のファイルが必要になる場合がございます。LINE BITMAXの取引データの見方を解説メールアドレスに発行された取引報告書では現物取引、信用取引、入出金、入出庫(暗号資産)の取引明細を確認することができます。ここでは、取引データの見方をそれぞれ解説します。現物取引明細現物取引履歴の見方を解説します。通貨ペア:取引した仮想通貨のペア取引種別:自己または媒介(販売所での売買か取引所での売買か)売買:購入または売却注文方式:成行または指値約定数量:取引をした仮想通貨の数量約定レート:取引をした仮想通貨の価格取引金額:取引をした日本円の金額信用取引信用取引の明細の見方を解説します。売買区分:購入または売却(新規注文または決済)受渡金額:決済時に受け取りまたは支払った金額入出金、入出庫(暗号資産)LINE BITMAXの通貨の移動の明細では、法定通貨(日本円)の移動と仮想通貨の移動で明細が分かれています。入出金の取引明細の見方を解説します。取引内容:入金または出金また、入出庫(暗号資産)の取引明細の見方を解説します。取引内容:入庫または出庫(取引した内容)移動数量:入庫または出庫した通貨の数量手数料:入庫または出庫した際に支払った手数料(暗号資産)日本円換算額:賃借料を受け取ったり、決済で使用した際に使用した通貨を日本円換算した金額手計算をして損益を確認する取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてLINE BITMAXの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法がありますが、それぞれの方法で損益を求めるやり方をご紹介していきます。1. 総平均法の場合総平均法とは、一定期間内に購入した暗号資産の平均取得単価をもとにして、売却時の損益を算出する方法です。複数回に分けて購入している場合でも、それらの平均価格を基準に計算できるため、計算の手間をある程度軽減できます。それでは、以下のLINE BITMAXでの実際の取引データを例にとって、総平均法による損益の計算方法を見ていきましょう。総平均法の計算式総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すまずは「平均取得単価」を算出するため、上記のデータのBTCを購入した明細から関連する数値を抜き出します。注文番号売買約定数量取引金額2862買0.03321,117円2864買0.05456,072円2866買0.02214,577円合計0.10991,766円その後、「暗号資産の売却総額」と「売却数量」を算出するために、上記のデータのBTCを売却した明細から関連する数値を抜き出します。注文番号売買約定数量取引金額2863売0.02203,001円2865売0.03306,438円2867売0.04392,093円合計0.09901,532円Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な以下の数字を洗い出します。・「平均取得単価」:購入した時の「取引金額」の総額を「約定数量」の総数で割った金額→9,917,660円・「売却総額」:売却した時の「取引金額」の総額→901,532円・「売却数量」:売却した時の「約定数量」の総数→0.09BTCStep 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。[暗号資産の売却総額:901,532円]ー[取得価格(平均取得単価:9,917,660円 × 売却数量:0.09BTC)]= 8,943円となり、8,943円の利益が出ていることが分かります。2. 移動平均法の場合次に、上と同じLINE BITMAXの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法の計算式移動平均法では、取引が発生するたびに、その時点の取得価格と保有数量をもとに平均の取得単価を算出します。そして、売却などの収益が発生する取引の際には、この平均取得単価を用いて損益を計算します。損益を求める際は、次の式を使って求めます。[暗号資産の売却額]ー[取得価格(平均取得単価×売却数量)]=[損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すまずは「平均取得単価」を算出するために、上記の取引データから関連する数値を抜き出し、「BTCの数量」、「所持しているBTCの取得額」を求めます。注文番号売買約定数量取引金額所持しているBTCの数量所持しているBTCの取得額平均取得単価2862買0.03321,1170.03321,11710,703,9002863売0.02203,0010.01107,03910,703,9002864買0.05456,0720.06563,1119,385,1832865売0.03306,4380.03281,5569,385,1832866買0.02214,5770.05496,1339,922,6502867売0.04392,0930.0199,2279,922,650上記のデータの詳細は以下のように算出しております。所有しているBTC数量:所持しているBTC数量に「約定数量」を+所持しているBTCの取得額:売買が「買」の時は所持しているBTCの取得額に「円」の値を+、売買が「売」の時はこの取引時点までの「平均取得単価×所持しているBTC数量」を行います平均取得単価:売買が「買」の時は「所持しているBTCの取得額/所持しているBTC数量」の値となっており、売買が「売」の時はこの取引時点までの平均取得単価を引き継ぎますStep 2:各売却明細の損益を算出するそれでは売却明細の損益をそれぞれ算出してみましょう。【注文番号2863の損益】[暗号資産の売却額(円)203,001円]ー[取得価格(平均取得単価10,703,900円 × 売却数量(BTC)0.02BTC)]=-11,077円【注文番号2865の損益】[暗号資産の売却額(円)306,438円]ー[取得価格(平均取得単価9,385,183円 × 売却数量(BTC)0.03BTC)]=24,883円【注文番号2867の損益】[暗号資産の売却額(円)392,093円]ー[取得価格(平均取得単価9,922,650円 × 売却数量(BTC)0.04BTC)]=-4,813円Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。-11,077円 + 24,883円 + (-4,813円) = 8,9938,993円の利益が出ていることが分かります。クリプトリンクの損益計算ツールで損益を確認するここでは、「クリプトリンク」の損益計算ツールを利用して、暗号資産取引による損益を効率的に確認する方法について説明します。クリプトリンクは、取引所から取得した取引履歴をアップロードするだけで、損益や手数料を自動的に算出してくれるツールです。手間のかかる計算を自動化してくれるため、日々の記録管理や確定申告の準備にも役立ちます。そんなクリプトリンクの主な機能と使い方の流れを簡単に説明します。1. 取引データの取り込みまずは、各仮想通貨取引所からダウンロードしたCSVまたはExcelファイルをアップロードします。これらのファイルには、取引日、通貨ペア、数量、価格、手数料などの情報が記録されています。2. 自動で損益を計算アップロードされた情報をもとに、クリプトリンクが損益や手数料などを自動計算してくれます。手作業で一件ずつ計算する必要がないため、作業効率が大幅に向上します。3. レポートとして出力可能算出された結果は、レポート形式で出力できるため、確定申告などの書類作成にもそのまま活用可能です。このように、Excelなどで手動計算を行う必要がなく、履歴を取り込むだけで正確な損益状況が把握できます。ただしLINE BITMAXではCSVで取引明細を取得することができないため、PDFのデータをエクセルにコピーしてアップロードする必要があります。詳細は「BITMAX(ビットマックス)の現物取引データをダウンロードする方法」を確認してみてください。実際にデータをアップロードしてみましょう。手計算と同じ結果を得られることが確認されています。なお、計算方式は「総平均法」に基づいていますが、「移動平均法」による算出も選択できます。以下が「移動平均法」の結果となります。※小数点以下の問題でエクセルでの計算と1円の誤差が発生しています。完成した損益レポートは、そのまま確定申告などの提出書類として利用できるため、ぜひ活用してみてください。まとめLINEアプリから直接アクセスできる暗号資産取引所「LINE BITMAX」は、初心者にも使いやすい国内取引所として人気を集めています。ビットコインやイーサリアムなどの主要通貨に加え、KAIAの取扱いもあり、現物取引・信用取引・貸暗号資産など多様なサービスを提供しています。仮想通貨取引で忘れてはならないのが、正確な損益の管理です。特に確定申告の際には、取引履歴に基づいた収支の計算が重要です。本記事では、LINE BITMAXでの取引履歴の取得方法総平均法・移動平均法を用いた手動による損益計算方法クリプトリンクを活用した自動損益計算の方法について、具体的なデータを使って詳しく解説しました。手動計算が手間に感じる方には、クリプトリンクのような自動ツールの活用が効果的です。LINE BITMAXはCSVでの履歴出力に対応していないため、PDFデータからExcelへ転記する必要がありますが、正確な損益計算が可能になります。確定申告に対応したレポートも出力できるため、日々の取引記録を整理しやすくなります。LINE BITMAXを利用している方は、本記事を参考に、日頃から取引損益を把握して、安心・スムーズに確定申告を進めましょう。関連記事BITPOINT(ビットポイント)の取引の損益計算方法を解説!手計算とおすすめツールで比べてみたOKJ(旧OKCoinJapan)の仮想通貨(暗号資産)の損益計算を詳しく解説!Excelと計算ツールを使って確認しよう