「億り人」という言葉を聞いたことはありますか?映画「おくりびと」のタイトルから作られた造語で厳密な定義はありませんが、株式投資や仮想通貨取引などを通して億を超える資産を手に入れた投資家のことを指して使われます。2017、2018年前後の仮想通貨がメディアに取り上げられるほど話題になった時期、ビットコインで大きな資産を築いたと紹介されていたことなど記憶にある方もいるのではないでしょうか。では、実際のところ、過去に億り人を生み出した仮想通貨にはどのようなものがあるのでしょうか。また、そこまで大きな利益を得たとなると気になるのは税金ですよね。そこで本記事では、過去にどのような銘柄が億り人を生み出してきたのか、億を超える利益を得た場合の税金について解説していきます。仮想通貨の億り人とは仮想通貨における億り人とは、仮想通貨取引を通して億を超える資産を手に入れた投資家のことを指します。こうした億り人は、メディアなどでは主にビットコインを資産として何年も保有し続けた方が取り上げられ、他の仮想通貨についてはそこまで触れられません。ビットコインはサトシ・ナカモトによって開発、公開された最初の仮想通貨で、2024年8月現在まで仮想通貨の中では最も時価総額が高くメジャーな仮想通貨です。ビットコインの誕生やサトシ・ナカモトについてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。【~2008年】仮想通貨・ビットコインの歴史を学ぼう Vol.1ビットコインは仮想通貨の中でも最もメジャーな通貨ということで影響力が大きく、ビットコインの値動きに合わせて仮想通貨全体の相場が左右されることもあります。そんなビットコインのこれまでの値動きを見てみましょう。このように仮想通貨はボラティリティが非常に大きく、もちろんすべての仮想通貨ではありませんが中にはこのビットコインのように大きく価格が上昇する通貨があります。仮想通貨で億り人になった人々の多くは、将来性のある通貨を見極めた上で長期保有による価格上昇、あるいは大きなボラティリティを利用した投機的な運用によって資産を形成しています。過去に億り人を生み出した仮想通貨銘柄過去に億り人を生み出した仮想通貨の銘柄にはどんなものがあるでしょうか。現在は流動性提供やレンディングなど、仮想通貨自体の価格上昇や売買を繰り返す投機的な運用をしなくても報酬を得る方法が多数あります。こうした報酬を得る方法については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。仮想通貨で不労所得を得る方法5選!簡単に始められる仮想通貨運用法ですが、過去に億り人を生み出した通貨は保有して価格が大きく上昇したものがメインになるので、そうしたものを以下で紹介していきます。※あくまで過去に大きな価格上昇のあった通貨の紹介であり、これらの通貨への投資を推奨するものではありません。ビットコイン(BTC)まずは代表的なものとしてビットコインがあります。先ほども紹介しましたが、ビットコインの価格推移を改めて見てみましょう。初期からある仮想通貨のため、価格が極端に低い時期があったり、取引所でなく個人間での取引がメインだった期間があったりします。ですので、どこを起点として価格上昇を考えるかは難しいですが、ここでは取引所での取引が始まってから初期に起こった事件、マウントゴックスの破産前後の価格を見てみましょう。CoinMarketCapによると、マウントゴックス破産前後の2012年2月頃には5ドル程度で推移しています。ここから仮想通貨が日本で話題になり始めた2017、2018年代には最高で19,500ドル程度まで上昇しており、実に4000倍近くまで上昇し、そこから更に2024年8月現在では60,000ドルにまで上昇しています。リップル(XRP)リップルは、アメリカのRipple,Inc.が開発した、RippleNet上で使用される仮想通貨です。リップルの価格推移は以下のようになっています。リップルは公開された2013年から2017年前半までの間は0.01ドル前後を推移していましたが、2017年に入って急激に上昇します。そして、2018年1月にリップルは最高値である3ドル強の価格を記録しました。カルダノ(ADA)カルダノは、2015年にイーサリアムの共同創立者の一人であるCharles Hoskinson氏が考案し、2017年に発行された仮想通貨です。カルダノは2015年から2017年の発行までの期間、プレセールで資金調達を行いました。プレセールとは仮想通貨の運用、上場前に開発資金などを集める目的で事前に一定の価格で通貨の販売を行うことです。プレセールについてはこちらの記事で詳しく解説していますので、興味のある方はご覧ください。仮想通貨(暗号資産)のプレセールとは?確定申告に向けた税金計算方法を説明しますカルダノはプレセールでは0.22円~0.28円、現在のドル円レートでは0.002ドル前後の価格で販売されていました。では、この価格からどのように推移したのか見てみましょう。プレセール時の価格から、運用開始直後の2018年前半に一時価格が急上昇していますが、二度目の仮想通貨バブルと呼ばれる2021年~2022年の間に最大で3ドル弱にまで価格が上昇しました。シバイヌ(SHIB)シバイヌは、いわゆるミームコインの一種、中でも犬系ミームコインと呼ばれるものに分類される通貨です。ミームコインは技術的な要素よりコミュニティの盛り上がりによって価格が左右されることが多く、ちょっとした著名人の発言などで価格が大きく変動することがあるので、リターンも大きければリスクも大きい通貨です。ミームコインについては以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。今話題のミームコインとは?特徴や買い方、注意点、損益計算方法を網羅的に解説では、そんなシバイヌの推移を見てみましょう。シバイヌはミームコインなので、他の種類の仮想通貨と比べても急激な価格の上昇と下落が不定期に現れています。シバイヌは2020年の運用開始から2021年までは0.0000000001~0.00000001ドルの価格帯で上昇傾向ながらも特に大きな変動はなく推移していました。ですが、2021年半ばから急激な上昇を見せ、2021年11月には0.00007ドル前後となり、実に1000倍以上もの上昇を記録しました。シバイヌの価格の上昇にはさまざまな要因がありますが、たとえばイーロン・マスク氏がX(旧Twitter)上で愛犬の柴犬の写真をポストした、といった内容で価格が急上昇したこともあります。トンコイン(TON)直近で価格が上がったものではないですが、仮想通貨はプロジェクトに関連する事件によって価格が左右される例としてトンコインを紹介します。トンコインは、2018年にTelegram(テレグラム)が開発を開始したトークンです。2020年にアメリカ証券取引委員会(SEC)により規制されTelegramがプロジェクトから撤退しましたが、2021年にTelegramとトンコインのユーザーによって作られたTON財団に引き継がれました。そして、2024年8月にTelegramのCEOであるPavel Durov氏が逮捕されたことでも話題になりました。そんなトンコインの価格の推移を見てみましょう。トンコインは2021年後半まで0.8ドル前後で推移していましたが、仮想通貨バブルの2021年終わりから2022年序盤までで最高4ドル強、2024年にはそれを上回って8ドルにまで価格が上昇しています。ですが、2024年8月、TelegramのCEOが逮捕された後の価格を見てみると、5.5ドルにまで急落しているのがわかります。このように、ミームコインではない仮想通貨でも予想し辛い突発的な要素によって価格が左右される可能性があることにも注意しましょう。億り人の税金・税率はいくらになるのか億を超える利益となると、気になるのは税金ですよね。クリプトリンクブログでは、これまでも以下の記事を始め仮想通貨の税金について詳しく解説してきました。【初心者必見】仮想通貨(暗号資産)の税金とは?基本の計算から確定申告まで丸わかり仮想通貨の税金全般について知りたい方は上記の記事をご覧ください。ここでは主に億を超える利益を得た場合の税金、中でも仮想通貨の税金として話題に上がる所得税と相続税について解説していきます。所得税個人事業主や法人では別の所得に分類されることもありますが、それは特殊な場合なので個人で仮想通貨取引を行う場合について紹介します。個人で仮想通貨取引を行って得た所得は、所得税の中でも雑所得に分類され、総合課税制度の対象で累進課税が適用されます。累進課税は所得が多くなるほど税率が上がる仕組みで、以下の表のように税率が上がっていきます。では、ここで億り人となったときにはどれくらい所得税を支払わなければならないのか、利益から経費などを差し引いた所得が100,000,000円(1億円)だった場合を考えてみましょう。まず、表を見てみますと、所得が100,000,000円の場合は最大の税率となるので45%もの所得税がかかってきますが、控除が4,796,000円適用されます。計算方法は所得 × 税率 - 控除額 = 所得税ですので、計算すると以下のようになります。100,000,000円 × 45% - 4,796,000円 = 40,204,000円100,000,000円の内、40,204,000円もの税金を支払わなければならないので、実際に手元に残る金額としては6割弱になってしまいます。実際にはここにさらに住民税が入ってくるので、億を超える利益を得た場合にはかなりの金額を納税用に用意しておかなければならないことがわかります。こうした所得税については以下の記事でも詳しく解説しています。【最大55%】仮想通貨(暗号資産)の税金がやばい仕組みとは?高すぎる理由と節税対策を紹介相続税億り人の場合、所得税だけでなく相続税もかなりの額になります。相続税も相続する金額が大きくなれば税率が上がっていく仕組みになっています。相続する金額は、配偶者や子どもといった被相続人との関係で法定相続分が変わりますし、法定相続通りでなく話し合いで決めることもできるので、億り人だからと一概に解説することはできません。ですが、税率だけ見てみても、控除こそありますが1億円を相続する場合には税率30%、6億円を超えると55%と遺産が多ければ非常に高い相続税がかかってくることがわかります。相続税について詳しくはこちらも合わせてお読みください。【最大110%】ビットコイン(仮想通貨)の相続税とは?税金や注意点について詳しく解説損益計算はクリプトリンクで億り人に限らず、仮想通貨取引で得た利益の税金は確定申告を正しく行って支払わなければなりません。確定申告の内容が誤っていたり、確定申告に遅れたりすると加算税や延滞税といったペナルティが課されることがあります。そうしたペナルティはこちらの記事で詳しく解説しています。要注意!仮想通貨(暗号資産)の税金がバレないは間違い!理由と無申告の危険性を解説このようなペナルティを課されないためにも、正しく損益計算することが必要です。ですが、仮想通貨取引の損益計算は、さまざまな取引所やウォレットを用いていたり、売買だけでなくステーキングなど多様な種類の取引を行っていたりすると非常に煩雑になってしまいます。クリプトリンクではそんな煩雑な損益計算を、取引履歴をアップロードし、ウォレットを登録するだけで簡単にできるツールを提供しています。損益計算が面倒だという方、確定申告に向けて急いで計算をしなければならない方、ぜひクリプトリンクの損益計算ツールをご利用ください。クリプトリンク 損益計算ツールまとめここまで億り人を生み出した仮想通貨の銘柄と億り人の税金について解説してきました。最後に簡単におさらいしておきましょう。億り人を生み出した仮想通貨の銘柄ビットコインリップルカルダノシバイヌ など所得が億を超えると45%もの所得税を支払わなければならない億を超えなくとも損益計算はクリプトリンクで簡単に行おう本記事では億り人を生み出した仮想通貨をいくつか紹介しましたが、あくまでも過去の事例であり、これらの仮想通貨への投資を推奨するものではありません。中には相場に左右されにくい取引形態もありますが、基本的に仮想通貨はボラティリティが大きくリターンが大きい反面リスクも大きいものです。億り人が生まれやすい一方で価格が大幅に下落する局面も多いので、余剰資金で安全に運用していくことが大切です。