近年はNFTを取引できる仮想通貨(暗号資産)取引所も増え、簡単に売買を行うことができるようになりました。中には、自分でイラストや音楽などをNFT化して販売している方もいるのではないでしょうか?そんな、NFTを自分で組成して販売している方にとって気になるのは税金ですよね。「自分で作ったNFTの税金ってどうなるの?」「NFTを組成するのにかかった費用とかって経費にできるの?」このような疑問を抱いている方もいるでしょう。そこで本記事では、そんなNFTクリエイター向けに、NFTを組成して販売した時の税金や確定申告方法について解説しております。ぜひご覧ください。NFTとはNFT(Non-Fungible Token)とは、以下の性質を持つトークンのことをいいます。デジタルデータに唯一無二の性質を持っているブロックチェーン上で取り扱っているため、取引履歴を追跡することができるつまり、NFTとは、他の通貨と異なり、それぞれが独自の識別可能性を持っているトークンになります。現在はデジタルアート、音楽、ゲーム内のアイテムやキャラクター、仮想空間の土地等の所有権の証明や著作権の保護などに利用されており、コインチェックやGMOコイン(Adam byGMO)といった仮想通貨取引所やOpenseaなどのマーケットプレイスで売買することができます。NFTマーケットについては、購入・売却だけではなく、自身でNFTを作成し、販売することができます。NFTを組成&販売した時にかかる税金NFTを組成して、販売した時に収入が発生した場合は、所得税の課税対象となります。所得税は、個人の所得に対してかかる税金で、1年間の全ての所得から所得控除を差し引いた残りの課税所得に税率を適用し税額を計算します。国税庁のページを引用所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5パーセントから45パーセントに区分されています。所得は以下10種類に分かれており、1 利子所得2 配当所得3 不動産所得4 事業所得5 給与所得6 退職所得7 山林所得8 譲渡所得9 一時所得10 雑所得NFTを組成して販売して発生した利益は、NFTの販売を事業として行っている場合は「事業所得」、事業として行っていない場合は「雑所得」に分類されます。NFTを組成&販売した時の損益計算方法ここでは、NFTを組成した時NFTを販売して売り上げた時どのような損益が発生するか解説します。①イラストを制作する②そのイラストをマーケットプレイスにアップロードし、NFTにする(この時に手数料で0.005ETHが発生)③NFTを販売し、0.1ETHの収入を得る上記の流れで、収入を得た場合、どのような損益が発生するのでしょうか?NFTを組成した時NFTを組成した時にはどのような損益が発生するのでしょうか?結果からいうと、NFTを組成するだけでは損益は発生しません。ただし、NFTを組成するときに手数料が発生した場合はその手数料を経費として計上することができます。①、②のようにイラストを制作し、そのイラストをマーケットプレイスにアップロードし、NFTにした際に手数料が発生した場合、経費として計上することができます。手数料が仮想通貨の場合は、発生した時点での価格がその金額となります。②で0.005ETHが発生しているので、この時の1ETHの価格が40万円だとすると、0.005ETH × 40万円 = 2,000円2,000円を手数料として計上することができます。NFTを販売して売り上げた時次にNFTを販売して売り上げた時にはどのような損益が発生するのでしょうか?NFTを販売して売り上げた時は、以下の損益が発生します。損益 = NFTの収入金額 - NFTに係る必要経費 NFTの収入金額を仮想通貨で受け取った場合は、受取時点の時価換算の価格が収入金額になります。また、NFTに係る必要経費はNFTを組成するために要した費用の額となり、先ほど説明した手数料もこれに含まれます。③のように、NFTを販売して0.1ETHの収入を得た場合、その金額が「NFTの収入金額」となります。仮想通貨で収入を得た場合も、手数料と同様に取引時の0.1ETHの価格が収入金額となります。(この時の1ETHの価格は45万円とする)先ほど説明した手数料0.005ETHは「NFTに係る必要経」となるため、45万円 × 0.1ETH - 40万円 × 0.005ETH = 4.3万円4.3万円が損益となります。NFTの確定申告方法NFT取引をしている方で給与の年間収入金額が2,000万円を超える方1箇所から給与の支払いを受けており、NFTの販売で得た収入を含む、給与所得以外の所得で20万円を超える方2箇所以上から給与の支払いを受けており、年末調整されなかった給与の収入金額とNFTの販売で得た収入を含む、給与所得以外の所得の合計が20万円を超える方個人事業主またはフリーランスの方上記の方は確定申告を行う必要があります。確定申告を行う場合は確定申告書収入・経費がわかる書類マイナンバーカード銀行口座が必要となります。確定申告書は国税庁の確定申告書作成コーナーを利用して作成することができます。確定申告書にNFT取引の収入を入力する場合は、確定申告書コーナーの「収入・所得金額の入力」の画面にて、【雑所得/業務・その他】に情報を入力する必要があります。事業としてNFTの取引を行っている場合の確定申告方法は別途記事でご紹介いたします。確定申告書の記載方法を知りたい方は、以下記事をご覧ください。「【画像付き】仮想通貨(暗号資産)の確定申告書の記載方法を解説」確定申告に必要な書類等が揃ったら、最寄りの税務署または、国税庁のページから提出を行います。NFT販売の損益計算はクリプトリンクでクリプトリンクの計算ツールではNFT取引にも対応しています。2024年8月28日には事業者向け機能のリリースにより、クリエイターがNFTを組成して、販売する取引についても対応いたしました。仮想通貨取引、NFT取引の損益計算が複雑な方はぜひご利用ください。また、収支計算報告書を作成することもできるので、申告にご利用ください。まとめ本記事では、クリエイターがNFTを組成して販売した時の税金や確定申告の方法について解説しました。NFTを販売した場合、以下の損益が発生します。損益 = NFTの収入金額 - NFTに係る必要経費 これはNFTを販売して仮想通貨を受け取った時も同様で、受け取り時点の仮想通貨の価格が収入金額となります。確定申告を行う場合は確定申告書収入・経費がわかる書類マイナンバーカード銀行口座が必要となり、NFT取引を含め、仮想通貨取引などで出た収入を知っておく必要があります。仮想通貨取引、NFT取引をやっていて、取引が複雑な方は自身で損益計算を行うことが困難になってくると思います。クリプトリンクの計算ツールを利用すれば、取引を登録することで自動で損益計算を行うことができるので、ぜひご利用ください。NFTを組成&販売以外にもエアドロップした際の税金について解説している記事もあるので、ぜひご覧ください。「NFTをエアドロップでもらった時の税金とは?注意点や損益の計算方法も解説」