現在、仮想通貨(暗号資産)の取引所は数多く存在します。国内でも数多くの取引所が存在し、その中でもOKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)は、多くのトレーダーに利用されています。※OKCoinJapanは、2024年8月20日からサービス名が「OKJ」に変更されました。仮想通貨取引を行う上で重要なのは、正確な損益計算です。この記事ではOKJの取引履歴を活用し、Excelとクリプトリンクの計算ツールを用いて損益を確認する方法を詳しく解説します。OKJ(OKCoinJapan)とは?OKJ(OKCoinJapan)は、世界的に有名な暗号通貨取引所であるOK Groupの日本法人です。OK Groupは2013年に中国で設立され、その後グローバルに展開し、現在はシンガポールを拠点としています。OKJでは、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの主要通貨だけではなく、計42種類の通貨を取り扱っています。(2024年7月18日時点)その中には、国内取引所でOKJでしか取引していない仮想通貨の「SUI」も取引することができます。(2024年7月18日時点)また、取引所・販売所での仮想通貨の売買の他に、ステーキングや積立のサービスも行っています。OKJの取引履歴データ(現物取引)をダウンロードまず、損益を確認するためにはご自身の取引履歴データ(CSVファイル)が必要になります。OKCoinJapan(オーケーコイン・ジャパン)の現物取引データをダウンロードする方法に沿って取引履歴ファイルをダウンロードします。OKJの取引データの見方を解説ダウンロードした取引履歴ファイルの1行目の項目をそれぞれ解説していきます。OKJの売買の明細は2行にわたって明細が作成されます。・約定ID:約定ID・注文ID: 注文ID・日時:取引が行われた日時・取引銘柄: 取引した通貨ペア・通貨: 取引した通貨・取引内容:取引種別(「通貨」に対して)・約定数量:取引した通貨の数量・約定価格:通貨に対する対JPYレート・残高:取引をした通貨の残高・M/T:Maker、Taker ※1・手数料:手数料※1 取引所の板に出ている指値注文で売買が成立した際に、その指値注文を出していた側を「Maker」と呼び、その相手方となる注文を発注した側を「Taker」と呼ぶ。エクセルでの損益確認方法取引データが揃ったところで、実際に手計算をしてOKJの損益を確認してみましょう。損益計算方法には総平均法と移動平均法があります。ここではそれぞれの計算方法で損益を求めていきます。総平均法の場合では、以下のOKJの取引データを使用して、総平均法で損益計算を行なっていきます。総平均法では、任意の集計基準期間を通して購入した通貨の平均単価を平均取得単価とし、この取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から収益および保有資産の取得原価を算定します。総平均法の収支計算式はこちらです。[暗号資産の売却総額] ー [取得価格(平均取得単価 × 売却数量)] = [損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却総額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出します。BTCの購入と売却の取引の表が以下になります。通貨が「BTC」で取引内容が「購入」の時日付BTCの約定数量JPYの約定数量2024/1/100.2-1,300,0002024/2/50.5-3,150,0002024/3/10.2-1,800,0002024/4/110.3-3,240,000合計1.2-9,490,000通貨が「BTC」で取引内容が「売却」の時日付BTCの約定数量JPYの約定数量2024/1/25-0.1600,0002024/3/15-0.66,300,0002024/5/10-0.32,910,000合計-1.09,810,000Step 2:各項目の合計を算出する各項目の合計を算出し、損益計算に必要な数字を洗い出します。・「売却総額」:通貨が「BTC」で取引内容が「売却」の時のJPYの約定数量の合計 → 9,810,000円・「平均取得単価」:通貨が「BTC」で取引内容が「購入」の時のJPYの約定数量をBTCの約定数量で割った金額 → 7,908,333円・「売却数量」:通貨が「BTC」で取引内容が「売却」の時のBTCの約定数量 → 1.0Step 3:損益額を算出するしたがって先ほどの総平均法の式に数字を当てはめると以下のようになります。[暗号資産の売却総額:9,810,000円] ー [取得価格(平均取得単価:7,908,333円 × 売却数量:1.0BTC)] = 1,901,667円移動平均法の場合次に、上と同じOKJの取引データを使用して、移動平均法で損益計算を行なっていきます。移動平均法では取引が発生するたびに、その時点における取引価格と現保有数の平均取得単価を算出し、この平均取得原価をもって収益の発生する取引(売却など)の取引価格から損益を出します。移動平均法では売却が行われる度、以下の計算式から損益を算出します。[暗号資産の売却額] ー [取得価格(平均取得単価 × 売却数量)] = [損益額]Step 1:関連する数値を抜き出すそれぞれの「売却額」「平均取得単価」「売却数量」を算出するため、上記の取引データから関連する数値を抜き出した表が以下になります。※JPYの約定数量については負の数字を正の数字に変えて抜き出しています。日付取引内容JPYの約定数量BTCの約定数量BTC残数BTC残数に対しての取得額(JPY)平均取得単価(JPY)2024/1/10購入1,300,0000.20.21,300,0006,500,0002024/1/25売却600,000-0.10.1650,0006,500,0002024/2/5購入3,150,0000.50.63,800,0006,333,3332024/3/1購入1,800,0000.20.85,600,0007,000,0002024/3/15売却6,300,000-0.60.21,400,0007,000,0002024/4/11購入3,240,0000.30.54,640,0009,280,0002024/5/10売却2,910,000-0.30.21,856,0009,280,0005~7列目の数値は以下のように算出しております。BTC残数:その行までのBTCの約定数量を加算した値(例)2024/3/15の取引では2024/3/1のBTC残数の0.8BTCに-0.6BTCを加算して0.2BTCとなる。BTC残数に対しての取得額(JPY):取引内容が「購入」の時はJPYの約定数量を加算取引内容が「売却」の時は「この取引までの平均取得単価×BTC残数」(例)2024/2/5の取引(購入)では2024/1/25の取引のBTC残数に対しての取得額650,000円に3,150,000円を加算して3,800,000円となる。また、2024/3/15の取引(売却)では「この取引までの平均取得単価7,000,000円×BTC残数0.2BTC」=1,400,000円となる。平均取得単価(JPY):取引内容が「購入」の時は「BTC残数に対しての取得額÷BTC残数」取引内容が「売却」の時はこの取引時点までの平均取得単価を引き継ぐ(例)2024/1/10の取引(購入)では「BTC残数に対しての取得額1,300,000円÷BTC残数0.2」=6,500,000円また、2024/5/10の取引(売却)はこの取引時点までの平均取得単価9,280,000円を引き継ぐStep 2:各売却明細の損益を算出する例えば、2024/3/15の売却時点での損益は以下のようになります。[暗号資産の売却額6,300,000円] ー [取得価格(平均取得単価7,000,000円 × 売却数量0.6BTC)] = 2,100,000円この売却で2,100,000円の利益が出ていることが分かります。売却した取引全てで損益の計算をする必要があります。Step 3:損益額を算出する全ての損益を合計すると以下のようになります。[2024/1/25の損益-50,000円] + [2024/3/15の損益2,100,000円] + [2024/5/10の損益126,000円] = 2,176,000円売却時に発生する損益の合計2,176,000円が取引全体の損益となります。クリプトリンクの損益計算ツールでの損益確認方法当社の暗号資産の損益計算ツールを使って損益を確認していきます。クリプトリンクの損益計算ツールは、暗号通貨の取引による収支を正確に計算し、利益や損失を把握するためのツールです。以下に、ツールの機能と使い方を簡単に説明します。取引履歴のインポート: 取引所からダウンロードした取引履歴データ(CSVやExcelファイルなど)をインポートできます。このデータには、取引の詳細な情報(取引日時、取引ペア、購入価格、売却価格、手数料など)が含まれています。自動計算機能: インポートした取引履歴データを基に自動的に収支や手数料を計算します。レポート作成: 計算結果をレポートとして出力する機能も提供しています。計算ツールを利用すると、上記のようなエクセルを使用した手動での計算は一切不要です!しかも、使い方は簡単です。取引履歴データを計算ツールにインポートするだけで、システムが自動で収支を出してくれます。OKJの取引履歴ファイルを計算ツールにアップロードして計算した結果は以下になります。(取引履歴データのアップロード方法はこちらをご覧ください。)エクセルで計算した時と同じ結果が得られていることが確認できます。こちらは総平均法での計算結果になりますが、設定を切り替えれば移動平均法にも簡単に変えられます。まとめ本記事ではOKJとはどんな取引所かOKJのデータの取得方法・見方OKJの取引の計算方法を解説しました。少ない取引であればエクセルなどの表を使って計算することも可能ですが、複数の取引所を利用していたり、取引数が多かったりするとご自身で計算するのが困難になるかと思います。そんな時は、ぜひクリプトリンクの計算ツールを利用してみてはいかがでしょうか?関連記事BITPOINT(ビットポイント)の取引の損益計算方法を解説!手計算とおすすめツールで比べてみた【比較表付き】失敗しないbitbank損益管理!Excelと計算ツールを比較して詳しく解説【2025年最新版】コインチェック(Coincheck)の損益計算ガイド!Excel手計算と自動計算ツールを徹底比較