仮想通貨を取引するには、まず仮想通貨取引所に口座を開設しなければなりません。ですが、初めて口座を開設するにあたって以下のような疑問や不安があってなかなか開設に踏み切れない方もいるのではないでしょうか。口座開設の手順が面倒そう・・・開設のために事前に準備しておくものってある?取引を始めたら税金とかどうなるんだろう?本記事では、仮想通貨取引所の口座開設に必要なものとステップ、さらに取引後に重要な損益計算の方法まで、初心者でも分かりやすく解説します。この記事の要約仮想通貨取引所にはCEXとDEXがありそれぞれメリットとデメリットがある仮想通貨取引所では売買に加えてステーキングやレンディングなど仮想通貨特有の取引ができるところもある口座開設はスマホとICチップ対応の免許証かマイナンバーカードがあれば簡単にできるが、その他の身分証で郵送での申請も可能スマホでの口座開設は、アカウント作成→身分証提出→ユーザー情報入力の流れでできる口座を開設して取引を始めたら、必ず毎年損益計算をするようにしようそもそも仮想通貨の取引所とは?そもそも、仮想通貨の取引所とはどういったところでしょうか。読んで字のごとく「仮想通貨の取引をするところ」ではあるのですが、仮想通貨取引を行ったことがない方の中には、どのような取引ができるのか疑問を持つ方も多いと思います。まず、仮想通貨の取引所には大きく分けて「CEX(中央集権型取引所)」と「DEX(分散型取引所)」の2つの種類があります。CEXは、OKJやcoincheckなどといったような企業が中心となって管理・運営する取引所で、企業に資金を預け入れてその企業のサービス上で提供されている取引を行う形式になります。一方でDEXは、特定の企業などによる中央集権的な管理がなされていない取引所で、ブロックチェーン上で稼働しているためウォレットを接続して取引を行います。CEXはDEXと比べて以下のようなメリットデメリットがあります。メリット企業が運営しているため規制などに対応している場合が多いセキュリティの向上が図られているため安全に取引を行うことが可能デメリットDEXでしか扱われていない通貨・取引もあり柔軟な取引という観点では一歩劣るDEXはCEXと比べて以下のようなメリットデメリットがあります。メリット通貨や取引の自由度が非常に高いデメリット各国が定めている規制に対応していない場合がある安全性や利用の複雑さの観点から初心者向けではない仮想通貨取引を始める際、ほとんどの場合CEXでの取引から始めることになりますので、以降本記事ではCEXでの取引を想定して解説していきます。また、取引できる内容は一例になりますが、国内の取引所では以下のような取引ができます。仮想通貨の現物取引仮想通貨の証拠金取引ステーキングレンディング現物取引は仮想通貨と法定通貨、あるいは仮想通貨同士を売買という形で交換する取引で、証拠金取引は証拠金を担保にレバレッジをかけて実際の資金よりも大きな額で取引をすることが可能な取引です。これらは株式などでも同様の取引があるためご存知の方も多いかと思います。一方で、ステーキングやレンディングは仮想通貨特有の取引です。ステーキングは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)というシステムを採用している仮想通貨において、預け入れておくだけで報酬を得られる取引です。また、レンディングは、預け入れた仮想通貨を貸し借りなどで運用してもらい、その利益の一部を報酬として得られる取引形態になります。ステーキングに関しては以下の記事で詳しく解説していますのでこちらもご覧ください。仮想通貨のステーキングとは?仕組みや損益計算方法と税金について詳しく解説また、レンディングに関してもこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。仮想通貨(暗号資産)のレンディング収益とは?メリット・デメリットから税金計算方法まで分かりやすく解説口座開設前に準備しておくものは?では、いよいよ取引所に口座を開設していきたいところですが、先に開設前に準備しておくものがいくつかあります。まず、多くの国内取引所では以下の二通りの開設方法があります。スマホを用いたデジタル認証郵送による認証基本的にはスマホを用いたデジタル認証の方が手軽ですので、スマホを用いる方法で開設できるかどうかを確認してから郵送による開設を検討しましょう。では、それぞれの方法で必要なものを紹介します。スマホを用いたデジタル認証必要なものICチップの読み取りができるスマホICチップ対応のマイナンバーカードか免許証スマホを用いたデジタル認証では、上記のものがあれば非常に簡単に口座開設ができます。まずはこれらを用意できるか確認した後、用意できそうになければ郵送による開設を検討しましょう。郵送での認証必要なもの写真を撮影できるスマホかPCパスポート、健康保険証などの本人確認書類多くの取引所では本人確認書類の写真をアップロードし確認を行った後、郵送により住所確認を行う流れになりますが、この時に使用できる本人確認書類は取引所によって異なる可能性があるので、それぞれの取引所のヘルプページなどから確認してください。口座を開設する手順必要なものを準備したら口座を開設していきましょう。ここでは、先述のスマホを用いたデジタル認証による口座開設の流れを紹介します。例として、bitbankで口座開設する際の画面を用いて解説します。アカウント作成まず最初にアカウントを作成する必要があります。このアカウント作成自体は、その他のWebサービスでも同様に行うようなメールアドレスやパスワードを用いた一般的な方法でアカウントを作成することができます。取引所によって異なる部分はありますが、大まかな手順としては、スマートフォンで取引所のアプリをダウンロードするアプリの新規登録からメールアドレスを登録するメールアドレスに届いた認証用URLをクリックするこの手順でアカウントを登録することが可能です。取引所によってはこのアカウント登録後に取引所のチャートや注文板を確認できるところもありますが、以降の本人確認を行わなければ取引は行えませんので注意しましょう。本人確認のため身分証を提出アカウント登録をしても口座開設は完了しておらず、取引を行えません。口座開設のためには本人確認を完了させる必要があります。取引所によって、アカウント登録をしたら流れで本人確認画面に移行することもありますが、メニュー画面から本人確認ボタンを押さなければならないこともありますので、見つからない場合はヘルプページなどから確認しましょう。本人確認は取引所によって流れが前後することがありますが、身分証の提出とユーザー情報の入力によって行われます。例示しているbitbankでは身分証の提出から行われるため、身分証の提出→ユーザー情報入力の順で解説します。身分証は、スマホによるデジタル認証の場合、ICチップ対応の免許証かマイナンバーカードを提出することになります。上記のような身分証提出画面にて提出する身分証を選択すると読み取り画面になりますので、あとは画面の指示に従って免許証かマイナンバーカードのICチップをスマホに読み取らせることで簡単に身分証の提出が完了します。海外取引所やICチップによる提出に対応していない取引所、またはICチップ対応の身分証を用意できない場合などには、免許証かマイナンバーカードの撮影と自身の顔の撮影によって身分証の提出とするところもあります。写真の撮影のみでできる場合にはICチップの読み取りは必要ありませんので、この辺りは取引所のヘルプページなどから確認してください。ユーザー情報を入力次にユーザー情報の入力を行います。ユーザー情報とは名前や住所など通販等でも利用しているような基本的な個人情報に加え、職業や投資予定金額など口座開設に必要な情報のことです。いつも利用している情報を入力するだけで事足りますが、身分証との照会で利用されるので最新の情報を身分証通りに入力する必要があります。直近で引っ越しなどして個人情報が変わった方や、いつも通販等で使っている住所などに表記ゆれがある方は身分証と同じ正式な表記で入力するよう注意してください。審査が通れば口座開設完了本人確認が完了した後は審査が完了するまで待ちましょう。この審査が通れば晴れて口座開設が完了し、取引できるようになります。取引所によって審査にかかる時間はさまざまなので一概には言えませんが、スマホによるデジタル認証の場合は即日審査されて口座開設が完了する取引所もあります。郵送など他の認証方法と比べても審査が早いので、すぐに取引を始めたいという方はこちらの認証方法で本人確認を行うとよいでしょう。さて、ここまででいよいよ取引を始めることができるようになりましたが、仮想通貨はボラティリティが大きく、利益も大きくなりやすければ損失も大きくなりやすいです。口座を開設したばかりの初心者の方であれば、いきなり大金を一つの通貨に注ぎ込むのではなく、銘柄を十分に検討して少ない金額から慎重に投資していくことを心がけましょう。取引を始めたら損益計算を忘れずに!取引を始めたら、毎年損益計算を忘れずに行うようにしましょう。損益計算とは、確定申告などのためにその年の仮想通貨取引における損益を計算することです。中には、「今年は損失しかないから・・・」「少額しか投資していないから・・・」と損益計算を行わなくてもいいと思っている方もいるかもしれませんが、損益計算は必ず毎年行うようにしてください。なぜなら仮想通貨取引の損益計算のためには、前年までに購入した通貨の総額や平均取得単価が必要だからです。取引をしたのに損益計算を行っていない年が一年でもあると、いざ利益が大きくなって確定申告が必要となった際に、その年まで遡って損益計算をしなければ正確な損益が算出できなくなってしまいます。ですので、仮想通貨取引を始めたら必ず毎年損益計算を行うようにしてくださいね。ですが、仮想通貨取引の損益計算は取引を行った時点の時価が必要だったり、取引内容によって利益の算出方法が違ったり、投資初心者には馴染みのない計算方法を用いたりと、一人で行うには非常に煩雑で面倒です。その上、利益を少なく申告してしまったり、面倒だからと無申告のままでいたりすると、ペナルティが課され、より多くの税金を支払わなければならなくなる可能性があります。どういったペナルティがあるかについて興味のある方は、こちらの記事で解説していますのでこちらも併せてご覧ください。仮想通貨(暗号資産)の税金はバレる?バレない?無申告の危険性や確定申告の必要性を解説そんな損益計算には、仮想通貨の損益計算を支援するツール「クリプトリンク」の導入がおすすめです。「クリプトリンク」では、各取引所から取得できる取引履歴をアップロードするだけで自動的に損益を計算することができます。以下の記事で使い方について詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。「リニューアル版」損益計算ツールの収支計算方法をご紹介します!年内の取引が非常に少なく、取引の種類も売買だけであれば一人で計算することも可能ですが、そうでない場合には煩雑な計算をミスなく行う必要が出てきます。そうした計算を一人で行うのは、確定申告に間に合わなくなる・ミスによる過少申告でペナルティを受けるなどのリスクに繋がりますので、少しでも損益計算に不安をお持ちであれば、「クリプトリンク」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。まとめさて、ここまで仮想通貨取引所での口座開設方法を紹介してきました。口座開設の申請自体はスマホと対応する身分証があれば一時間もかからずにでき、その申請の審査も即日完了する取引所もあり、仮想通貨取引はとても簡単で身近なものとなっています。ですが、仮想通貨は元々ボラティリティが大きく、儲けやすい半面リスクも大きいものですので、口座開設まではフットワーク軽くできる状況ではあるものの、投資は十分に検討を重ねて慎重に行っていかなければなりません。初めて投資をするという方は、口座開設の勢いで大金を一気に注ぎ込まないよう注意しましょうね。また、税金や申請のことを考えて口座開設に一歩踏み出せない方も少なくないと思いますが、現在では確定申告はデジタルで簡単なフォーマットで行えますし、利益を算出するための支援ツール「クリプトリンク」なども提供されています。取引所だけでなく、その周辺ツールも簡単かつ便利に利用できるよう整備されていますので、口座を開設した際にはぜひ一度「クリプトリンク」をお試しください。関連記事OKJで仮想通貨(ビットコイン)を買う方法から税金の計算、確定申告のやり方まで完全解説ビットバンク(bitbank)で仮想通貨(ビットコイン)を買う方法から税金の計算、確定申告のやり方まで完全解説