「不労所得」と聞くとみなさん何を思い浮かべるでしょうか?よく思い浮かべられるのは、アパート・マンションを運用する不動産投資やトレード・配当金などで利益を得る株式投資あたりでしょうか。不労所得は簡単にいえば「働かないで得る収入」のことで、知識や資金がないと難しいイメージを持つ方も少なくないと思いますが、近年ではNISAなど政府が資産形成を推進しているので一般的になってきました。欲を言えば不労所得だけで生活できるほど収入があるのが理想ですが、そこまででなくともたとえば毎月千円、一万円の不労所得があるだけでも嬉しいですよね。そんな不労所得の中でも今回紹介するのは、仮想通貨で不労所得を得る方法についてです。仮想通貨は株式やFXでできるものとはまた違った取引を行うことが可能で、その中には不労所得を実現できるものもあります。もちろんその分リスクはありますが、仮想通貨市場は株式やFXと比べてもボラティリティが大きく、比較的資金が少ない状態からでもある程度の収入を得やすい部分があります。では、そんな仮想通貨で不労所得を得る方法について詳しく見ていきましょう。仮想通貨で不労所得ってどういうこと?「そもそも、仮想通貨で不労所得なんて得られるの?」という方のために、まずは軽く仮想通貨取引にはどんな取引形態があるのか、いくつか紹介しておきましょう。仮想通貨取引で不労所得と聞くとまずは売買をして差益を得る方法がありますが、仮想通貨でできる取引はそれだけではありません。国内の取引所だけでも、現物の売買取引以外に証拠金取引はもちろんのことレンディングやステーキングができる取引所もあります。レンディングやステーキングは後にも解説しますが、仮想通貨をある程度の期間預け入れることで報酬を得られる仕組みです。また、エアドロップという一定の条件を達成することで報酬を得る方法や、マイニングというビットコインなどのブロックチェーンに必要な複雑な計算処理の成功報酬を得る方法もあります。このように仮想通貨取引では売買以外にもさまざまな取引形態があり、ここで紹介したものはいずれも不労所得と言えます。仮想通貨で不労所得を得る方法5選ここから仮想通貨で不労所得を得る方法について5つ解説していきます。ここで紹介する以外にも不労所得を得る方法はありますが、ここでは仮想通貨取引の中でも代表的な取引をご紹介しましょう。1.流動性供給1つ目は、流動性供給を行い、手数料やインセンティブを得る方法です。流動性供給はDeFiを利用していない方には聞き馴染みのない言葉でしょうし、DeFiを利用している方には「Add Liquidity」という英語表記の方が馴染みがあるかもしれません。こちらの取引形態について紹介する前に、まずは「流動性プール(Liquidity Pool)」というDeFiに欠かせないシステムについて簡単に解説します。流動性プールとは、「リクイディティプロバイダー(Liquidity Provider)」と呼ばれるユーザーが、2つ(3つ以上の場合もある)の仮想通貨を同額ずつ預け入れておく場所です。このプールに集まったトークンは、売買時のストックとして利用されます。仮想通貨を売買する際、通常は売り手と買い手が仮想通貨を交換するような形になりますが、流動性プールがあることで買い手はその時に売り手がいなくても、流動性プールに支払う仮想通貨を入れ、買いたい仮想通貨を手に入れることができます。これにより、DeFiでは流動性プールが枯渇しない限りは一定の流動性が確保できるのです。そして、この流動性プールに仮想通貨を預け入れることを「流動性供給」と呼びます。では、この流動性供給でなぜ不労所得が得られるのでしょうか?まず、流動性供給では預け入れた仮想通貨ペアに応じて手数料を手に入れることができますので、これが一つ目の不労所得になります。また、流動性供給はそのシステムの性質上「インパーマネントロス」といって損失が出る可能性がありますが、一方でこの流動性供給がないと流動性プールが維持できずDeFiは運営できなくなってしまいます。そのため、リクイディティプロバイダーには手数料とは別にインセンティブが用意されており、流動性供給でこのインセンティブを受け取ることを「イールドファーミング」と呼びます。流動性供給では自分でトレードをせずとも、この手数料とイールドファーミングによる不労所得を手に入れることができます。2.レンディング2つ目は、レンディングを行い、利子や貸借料を得る方法です。仮想通貨のレンディングとは、簡単にいえば仮想通貨を貸し付け、利子や貸借料を受け取る仕組みのことです。国内でもいくつかの取引所で利用できますので、一度ご利用の取引所のサービスを確認してみてはいかがでしょうか。国内取引所が提供しているレンディングサービスは、ユーザーが取引所に仮想通貨を貸し付ける形が主で、ユーザーは定められた期間仮想通貨を貸す代わりに期間が満了すると貸した数量と貸借料が返ってきます。こちらの貸借料が不労所得として得られるわけですね。投資のようにトレードをしなくても報酬が得られる、取引の中でも流動性供給などの仮想通貨特有の取引形態と比べてシステムがわかりやすく運用しやすい、国内取引所でも手軽に始められるなど、紹介した中でも初心者向けといえる取引でしょう。3.ステーキング3つ目は、ステーキングというシステムを利用して報酬を得る方法です。ステーキングについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご一読ください。「仮想通貨のステーキングとは?仕組みや損益について詳しく解説」簡単に説明しますと、プルーフ・オブ・ステーク(PoS:Proof of Stake)というコンセンサスアルゴリズムを採用している仮想通貨について、一定数量をブロックチェーンネットワークに預け、ブロックチェーンの安定稼働に貢献した対価として報酬を得ることをステーキングと呼びます。この報酬が不労所得になります。こちらのステーキングもレンディングと同様に、国内でも扱っている取引所がありますので、ご自身の利用されている取引所を確認してみてください。ステーキングは一つの仮想通貨を預け入れるだけで報酬が得られる点でレンディングと似ていますが、レンディングと違って預けておかなければならない期間の定めがない場合が多く、また、預け入れられる金額も上限がありません。ステーキングでは仮想通貨を多く、長く預けておくことで報酬が増えていきますので、ステーキングに関する知識を付けたらレンディングなどの似た取引と比較して賢く運用していきたいですね。4.マイニング4つ目は、マイニングを行って成功報酬を得る方法です。このマイニングという言葉は、特にビットコインのマイニングに関する話題で知った方も多いのではないでしょうか。最近では2024年の4月にビットコインが半減期を迎え、マイニング報酬が半減したことなどでも話題になりましたよね。さて、そんなマイニングですが、仕組みとしましてはプルーフ・オブ・ワーク (PoW:Proof of Work)というコンセンサスアルゴリズムを採用している仮想通貨について、マイニングの基盤となるコンセンサスメカニズムで計算問題を解決することで報酬を得ることができます。この報酬がマイニングによる不労所得となるわけですが、仮想通貨のマイニングは現在ではマイニング専門の企業まで存在し、特にビットコインに関しては個人がマイニングで報酬を得るのはよほど設備に投資しても非常に難しいです。そんな中、個人でもマイニングで収益を上げる方法が存在します。それは「プールマイニング」や「クラウドマイニング」と呼ばれる方法です。個人が単独でマイニングを行うことを「ソロマイニング」と呼びますが、こちらは特にビットコインなどの主要な仮想通貨では非常に難しいことを紹介しました。これに対してプールマイニングとは、マイニングプールというサービスに参加し、そのプールに参加しているマイナーで協力してマイニングをする方法で、報酬は参加者で山分けになりますが単独でマイニングするよりも高確率で報酬が得られます。また、クラウドマイニングはマイニングを行っている事業者に出資し、マイニングに成功した報酬の一部を還元してもらう方法で、報酬はマイニングの成功報酬の一部にはなりますが知識や高性能な機器がなくとも資金提供だけでマイニングに参加できます。マイニングをする際は自身の機器や資金、またソロマイニングとプールマイニングにはマイニングツールに関する知識が必要なので、その辺りを考えながらマイニング方法を選んでマイニングしていきましょう。5.投資5つ目は、価格が上がりそうな仮想通貨に投資をして、利益を得る方法です。投資は株式や不動産など不労所得の中では馴染みのある形だと思いますが、仮想通貨でも同じように不労所得を得ることが可能です。仮想通貨の中でもビットコインやイーサリアムは2024年6月現在アメリカでETFが承認されるなど、投資対象としての側面がますます認められてきています。仮想通貨は株式やFXと比べてボラティリティが大きい銘柄が多いため、投資をした場合に大きな利益が狙えますが、反面、損失も大きくなる可能性があるのでリスクを把握した上で慎重に運用していきましょう。仮想通貨で稼ぐ方法は他にも!ここまで不労所得を得られる仮想通貨取引の中でも代表的なものを5つ紹介してきましたが、ほかにも仮想通貨で稼ぐ方法はあります。準備さえすれば何もしなくてもいい、というものではありませんが、中には楽しく稼げるものもあるのでぜひご一読ください。PlayToEarn最近では国内取引所でIEOが行われたBRILが話題となった、PlayToEarnという方法です。PlayToEarnは「遊んで稼ぐ」という意味で、その字の通り特定のゲームで遊ぶことで仮想通貨を稼ぐ方法です。一般的なゲームの場合、ゲーム内アイテムはゲーム内通貨でしか買えませんし、ゲーム内通貨をほかの換金可能な通貨に変えることはできません。ですが、PlayToEarnでは、ゲーム内アイテムを仮想通貨で購入したり、ゲーム内通貨が仮想通貨なので引き出して別の仮想通貨と交換したり、といったことができます。それだけではただゲームに課金しているのとそれほど変わりませんが、PlayToEarnではゲームをプレイすることでゲーム内アイテムや通貨を増やし、それを仮想通貨に換えることもできるのです。つまり、ゲームの内容にもよりますが、ゲームをプレイするほど仮想通貨を稼げる仕組みになっています。ゲーム好きな方、暇な時間に楽しく稼げるものをお探しの方、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。ワールドコインワールドコイン(WLD)をご存知の方はいるでしょうか?ワールドコインはただの仮想通貨ではなく、なんと無料で得られる仮想通貨です。Orbと呼ばれるボール状のデバイスで網膜(虹彩データ)をスキャンすることで人間であることを証明し、World Appという専用アプリを通じてワールドコインを手に入れることができます。最初に、専用のアプリをダウンロードしたり、Orbがある特定の場所で虹彩データを認証する必要がありますが、その後は2週間に1回ほどのペースで3WLDを無料で受け取れます。詳しいワールドコインの情報や取得方法についてはこちらをご覧ください。「【実践】ワールドコインを無料でもらう方法とは?損益の計算方法までを詳しく解説」Orbは設置されている場所に行かなければならず、まだ国内では東京、大阪などの都市部にしか設置されていないので手軽かどうかは居住地に左右されてしまいますが、一度近くにないか調べてみてもいいかもしれません。エアドロップ最後に紹介するのはエアドロップという方法です。エアドロップとは、簡単にいうと取引所や仮想通貨やNFTを発行する団体(プロジェクト)が定めた条件を達成したときに報酬として仮想通貨を得ることです。エアドロップについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。「仮想通貨をもらった時の税金とは?エアドロップなどの利益の計算方法を解説」エアドロップを得る主な条件には、対象のプラットフォームにウォレットを接続して登録する、特定の期間内に指定の仮想通貨やNFTを購入・保有していること、といったものがあります。指定のものを購入・保有しなければならないものは初期資金が必要ですが、登録するだけや受け取りの操作をするだけといった簡単に手に入るものもあるので、暇な時間にちょっと登録してみるなどスキマ時間に最適です。トレード仮想通貨では中長期の値動きを見据えた投資ではなく、短期間での値動きを予測して売買する投機的な運用もできます。ビットコインをはじめ、仮想通貨は株式やFXと比べてもボラティリティが大きい銘柄が多いので、利益も大きくなれば損失も大きくなりがちです。これは完全に労働力が不要とは言えませんし、ハイリスクハイリターンな方法ではあるので資金と相談しながら計画的に運用していきましょう。リスクについて理解して適切に運用しようここまで不労所得を得る方法について紹介してきましたが、どれもリスクがまったくないわけではないことに注意が必要です。投資やトレードでは値崩れによって損失を被るリスクが当然ありますし、特に短期間で何度も取引をする場合には取引手数料による損失も大きなものとなるでしょう。流動性供給では紹介した章でも解説しましたが、インパーマネントロスが発生する可能性がありますし、レンディングやステーキングでは、サービスの提供者が倒産するなどすると預け入れていた資金が回収できなくなるかもしれません。また、マイニングでもクラウドマイニングであれば同じようにサービスの提供者が倒産するなどする可能性はありますし、プールマイニングではマイニングツールの利用によりPCに不具合が起こるリスクや電気代の方が報酬を上回ってしまうという本末転倒なことも起こりかねません。そして、すべての仮想通貨取引にいえることですが、仮想通貨は株式やFXなどと比べてもボラティリティが大きい銘柄が多く、流動性供給やステーキングで預け入れている間でも常に値崩れのリスクは存在します。たとえば流動性供給のイールドファーミングは銀行の金利などと比べても非常に高く設定されている場合があり大変魅力的に見えてしまいますが、その辺りのリスクをしっかりと把握した上で、値崩れを起こしたとしても支障が出ないように計画的に運用していきましょう。仮想通貨取引の始め方では、ここまで紹介した不労所得を得るために、どのように仮想通貨取引を始めればよいでしょうか?初心者の方は、まずは国内取引所で口座開設するところから始めてみることをおすすめします。海外取引所では情報を探そうとしても日本語の情報が少なく、また、英語の説明も仮想通貨について知識がないとわからないような単語が用いられているので、国内では扱われていない価格の高騰が狙えそうなコインが取り扱われているからといって海外取引所から始めるのはハードルが高いでしょう。先ほども書いた通り、国内だけでも不労所得を得られる取引を取り扱っている取引所はあるので、まずはこちらから始めてみるとよいかもしれません。また、もうある程度取引所での取引経験がある方は、昨今話題のDeFiでの取引も試してみてはいかがでしょうか。DeFiでは中央集権型取引所では扱っていない取引形態を扱っていたり、同じ取引形態だけれどより多くの通貨、通貨ペアを扱っていたりと、より柔軟かつ多様な取引ができます。中央集権型取引所に加えてDeFiまで利用できるようになると、不労所得を得ようと考えたときに多くの選択肢から選ぶことができるので、自身の資金や利益率、リスク管理を考えてより適切な投資ができるようになります。DeFiでしか取り扱われていない取引形態もあるため、DeFiを利用したことがない方はぜひこの機会に興味を持っていただければと思います。まとめ本記事では仮想通貨で不労所得を得る方法について解説してきました。では、最後に簡単におさらいしておきましょう。仮想通貨ではさまざまな方法で不労所得が得られる流動性供給レンディングステーキングマイニング投資ほかにも不労とまではいかないが仮想通貨で収入を得る方法はあるPlayToEarnワールドコインエアドロップトレード などどの取引にもリスクはあるので、それぞれの取引のリスクを理解したうえで適切に運用しよう仮想通貨はその取引の柔軟さとDeFiなど特有のシステムの存在から不労所得を得る手段が多数あります。利益率が高い、長期間報酬を得られるなど取引形態ごとに違ったメリットがありますが、その一方でそれぞれにデメリット、リスクも存在します。その取引のメリットとデメリット、リスクを把握し、それが自分の行いたい運用とマッチしているかをしっかりと確認して取引をしていくことが大切です。