仮想通貨といえば、価格変動が激しく「ハイリスク・ハイリターンな投資商品」というイメージが強いかもしれません。ですが、仮想通貨取引をしている方の中にはこんな考えを持っている方もいるのではないでしょうか。仮想通貨でも安定運用はできるの?短期売買ではなく、コツコツ堅実に利益を出したいリスクを抑えて仮想通貨に投資したい基本的に安定した投資には向かないとされている仮想通貨ですが、安定資産として保有できるなら投資の幅も広がるので、そうした方法があるなら知っておきたいところです。そこで本記事では、仮想通貨をなるべくリスクを抑えて運用するためのポイントや、実際に“安定資産として保有する方法”を初心者にもわかりやすく解説します。仮想通貨投資をしたいけどリスクは抑えたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。この記事の要約安定資産とは経済状況や市場の変動に強く、価値が比較的安定している資産のこと仮想通貨を安定的に保有するには、分散投資、長期保有、余裕資産での投資を心がけ、取引所の信頼性や銘柄などの情報収集を怠らないこと仮想通貨を安定資産として保有するには、ビットコインへの積立投資、ステーブルコインの保有、ステーキング報酬やレンディング報酬を得るために保有する方法がある投資を始めたら毎年必ず損益計算を行おうそもそも安定資産とは?安定資産とは、経済状況や市場の変動に強く、価値が比較的安定している資産のことです。具体的なものでいうと、預貯金や国債、金などが挙げられます。そんな安定資産には以下のようなメリット・デメリットがあります。メリット安全性が高く、元本割れのリスクが低い経済状況に左右されづらく、資産を守ることができる金などは安定資産でありながらインフレ時に大きな利益を上げる可能性があるデメリット一般的に安定資産の収益性は低い現金や預貯金はインフレ時に実質的な価値が目減りする可能性がある安定資産は、不安定な経済状況下などで資産を守る意味で運用するといった場合や、低いながらも一定の収益を上げながら安全に資産を保ちたい場合に活躍します。経済が不安定なときのリスクヘッジとして、また初心者が投資に慣れる入り口としても安定資産は重宝されています。仮想通貨を安定的に保有するためのポイントでは、仮想通貨を安定資産として運用する具体的な方法の前に、まずは仮想通貨を低リスクで安定的に保有するためのポイントを紹介します。1.分散投資をする投資の格言である「卵は一つの籠に盛るな」を守りましょう。これは一つに集中して資金を投下するのではなく、複数の銘柄や投資商品に分散して投資をしましょうという投資の基礎を端的に言い表した格言です。分散投資をすることで、一つの市況に振り回されることがなくなりますし、リスク資産と安定資産に分散することで経済状況の悪化などで資産が一気になくなるリスクを減らせます。仮想通貨投資をするときには資産を一気に投入するのではなく、必ず仮想通貨以外にも分散して投資をするよう心がけましょう。2.長期保有をする安定した運用をするためには、長期保有を前提とした戦略を考えましょう。基本的に仮想通貨はボラティリティが大きいため、短期売買で一気に稼ごうというマインドで投資をしている投資家も少なくありません。ですが、短期売買は短期間で大きく値が動くことを予測した投資、もしくは大量の資金を投入して少量の値動きで大きな利益を狙った投資であり、それだけ正確で素早い市場予測が求められ、大きな損失を被るリスクも受け入れなければなりません。一方で、長期保有はさまざまな専門家が立てている予測を見ることができますし、背後にあるプロダクトをしっかりと吟味する時間も取れ、安定した投資に繋げることができます。3.余裕資産で投資を行う余裕資産で投資を行うというのは、分散投資と並び投資の基本中の基本です。余裕資産とは生活費や緊急時の備えとして必要な金額を除いた当面使う予定のない資産のことで、簡単に言うと「他に使う当てのない余ったお金」です。当然のことですが、投資に「絶対勝てる」はありません。生活費や緊急時の備えを削ってまで投資をして負けてしまったら生活が立ち行かなくなってしまいますので、絶対に余裕資産で投資を行うようにしましょう。4.信頼性の高い取引所を利用する意外と見落としがちですが、信頼性の高い取引所をしっかりと調べて利用しましょう。たとえば、日本国内から利用できる取引所であっても金融庁から警告を受け、国内からではアプリをダウンロードできなくなった取引所があるなど、国内から利用するにはやや信頼性に欠ける取引所もあります。また、過去にはFTX事件のように取引所がまるごと詐欺の手口として用いられたこともあり、取引所を無暗に信頼することは危険です。できる限り、日本でしっかりと認可された取引所を利用し、どうしてもそうでない取引所を利用したい場合には運営実態などを調べた上で利用するようにしましょう。5.情報収集を徹底する仮想通貨では特に情報収集を徹底しましょう。仮想通貨はその特性上、各銘柄ごとにさまざまな背景があり、明確なプロダクトや開発目的があるものから、まったくのお遊び的な経緯で作られた銘柄もあります。また、仮想通貨は法整備が進められている途上でもあるので、リップル裁判のように複雑な訴訟を抱えている場合もあります。こうした背景や現在の状況を調査しておかないと、たとえばよく知らずに買ったミームコインの暴落に巻き込まれてしまったなど、大惨事に繋がりかねません。仮想通貨を安定資産として保有する方法では、仮想通貨を安定資産として保有する方法をいくつか紹介します。1. ビットコインに積立投資をするまずはビットコインに積立投資をすることです。仮想通貨は基本的にボラティリティが高い高リスク資産ですが、ビットコインに関してはマイクロストラテジーを始め各国企業が大量確保を続けており、また、各国政府も国策としてビットコイン確保に動いているところがあります。最近では、アメリカにてトランプ大統領の主導によりビットコインを戦略的準備金として備蓄する動きも進められています。このように仮想通貨の中でもビットコインは企業や国からも戦略的な資産として認められています。さらに、これに一気に投資するのではなく、ドルコスト平均法のように定期的に定額を積立投資することでより安全に資産を形成することができます。2. ステーブルコインを保有する仮想通貨の中でも安定した価値を持つステーブルコインを保有するのも一つの方法です。ステーブルコインは法定通貨や金など既存の資産と連動する価値を持つ通貨のことで、有名なものでは米ドルと連動するUSDTやUSDCが挙げられます。特に法定通貨と連動する仮想通貨であれば、仮想通貨の中でも非常に低リスクな資産として保有することができます。ステーブルコインについて詳しくは以下の記事で解説しているので、こちらも併せてご覧ください。ステーブルコインとは?特徴・種類・ビットコインとの違いをわかりやすく解説3. ステーキング報酬のため保有する安定資産として保有しながら利益を得る手段として、ステーキング報酬を得ることが挙げられます。ステーキングとは、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)というコンセンサスアルゴリズムを採用している仮想通貨において、ネットワークに資産を預け入れておくことで報酬を得られる仕組みのことです。この報酬は通貨や取引所によってさまざまですが、たとえばPoSを採用している代表的な通貨であるイーサリアムではおおよそ3%強(2025年7月現在)の報酬を得ることができます。この手法であれば大きく儲けることはできないものの、ある程度の通貨を保有しておくだけで報酬を得続けることができます。ただし、ステーキングとして預け入れておく間は売買ができないといった制約が課される取引所もあるため、注意が必要です。ステーキングについては以下の記事で解説していますので、こちらもご一読ください。仮想通貨のステーキングとは?仕組みや損益計算方法と税金について詳しく解説4. レンディング報酬のため保有する保有したまま利益を得る手段としてもう一つ、レンディング報酬を得る方法があります。レンディングとは、投資家が保有している通貨を取引所に貸し出して、貸し出された通貨を取引所が貸借等で運用し、その利益を投資家に還元するサービスです。この報酬もステーキングと同じく通貨や取引所によってさまざまですが、ステーキングは通貨によって利率がある程度決まっている一方、レンディングは取引所によって大きく利率が左右されます。こちらもレンディング期間中は売買ができないといった制約が課される場合があるため、十分に注意しましょう。レンディングについては以下の記事で解説していますので、併せてご覧ください。仮想通貨(暗号資産)のレンディング収益とは?メリット・デメリットから税金計算方法まで分かりやすく解説投資を始めたら損益計算を忘れずに!仮想通貨投資を始めたら損益計算を忘れずに行うようにしましょう。安定資産への投資は利益が少なく、長期保有になりがちなので、「今年は買ってガチホしてるだけだし利益ゼロ!」「利益が数万円だから確定申告なしでいいか」と考えて何もしない方も多いと思います。ですが、利益がなく確定申告をしなくていい場合でも、必ず損益計算は毎年行うようにしましょう。なぜなら仮想通貨取引の損益計算のためには、前年までに購入した通貨の総額や平均取得単価が必要だからです。取引をしたのに損益計算を行っていない年が一年でもあると、いざ利益が大きくなって確定申告が必要となった際に、その年まで遡って損益計算をしなければ正確な損益が算出できなくなってしまいます。しかし、仮想通貨の損益計算は取引内容によって利益の算出方法が違ったり、投資初心者には馴染みのない計算方法を用いたりと、一人で行うには非常に煩雑で面倒です。そこで、仮想通貨の損益計算が不安な方は、損益計算を支援するツール「クリプトリンク」の導入がおすすめです。「クリプトリンク」では、各取引所から取得できる取引履歴をアップロードするだけで自動的に損益を計算することができます。以下の記事で使い方について詳しく解説していますので、こちらをご参照ください。「リニューアル版」損益計算ツールの収支計算方法をご紹介します!まとめここまで仮想通貨を安定資産として保有するためのポイントと具体的な方法について紹介してきました。投資における基本的なルール、分散投資や余裕資産での投資などを徹底しておけば比較的安定した投資が可能ですが、基本的に仮想通貨は高リスクな投資で安定投資にはあまり向いていません。その反面、たとえば比較的安定したステーブルコインのレンディング取引でも年間10%程度の利回りを得られる取引所があるなど、高い利回りを得られる機会が多いです。このように仮想通貨は利益も大きい一方でリスクも大きい資産ですので、初心者の方は今回紹介したようなリスクを抑える安定資産としての投資を念頭に置いて投資することをおすすめします。安定投資の際には、ぜひ「クリプトリンク」の導入を検討してみてください。関連記事仮想通貨取引所の選び方ガイド!初心者向けに7つのポイントと注意点をわかりやすく解説仮想通貨投資の注意点とリスクとは?取引する前に知っておくべき知識を解説