今年は相場がよく、仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の投資をしている方で、すでに利益が出ていたり、含み益がある方も多いのではないでしょうか?個人で仮想通貨の投資を行っている場合、節税方法はあまり多くはありませんが、いくつか対策を行える方法がありますのでご紹介したいと思います。税金対策を行う場合以下のようなことを行う必要があります。その他にも仮想通貨周りの税金の基礎知識について以下の記事で解説していますので、合わせてご覧ください。【初心者必見】仮想通貨(暗号資産)の税金とは?基本の計算から確定申告まで丸わかり節税のための事前準備:取得原価を把握する税金の対策を行う上で重要な点は「所持している仮想通貨の資産の情報を整理し、取得原価を含む資産の情報を正しく把握する。」ということです。仮想通貨を定期的に売買していると、何となく資産の額は理解できていても、所持している仮想通貨のそれぞれの取得原価の情報を正確に把握できていない場合が多くあります。また、資産額を軸に把握をしていると、以前購入したが、値下がりした暗号資産のことを意識から除外している。といったこともあるかと思います。取得原価の情報が正しく把握できていない場合がある。とは、どういうことかというと、個人の計算を行う場合に一般的に選択される計算方法が、総平均法であることが、原因の一つと考えられます。移動平均法と総平均法での取得原価の違いの確認移動平均法で計算を行う場合には、取引のたびに計算を行い取得原価を算出するので、認識と近い取得原価になり、損益も認識と近いものが出ます。仮にBTCの売買を行っている場合、移動平均法と総平均法で計算した場合の取得原価と損益の差をご紹介します。移動平均法の場合取引日取引内容数量金額総取得額平均単価利益計算レート2022/7/1購入12,500,0002,500,0002,500,0002,500,0002022/12/1購入12,300,0004,800,0002,400,0002,300,0002023/5/1売却28,000,000003,200,0004,000,0002023/6/1購入13,700,0003,700,0003,700,0003,700,000上記取引を終えての利益と資産の状況利益:3,200,000円残数:1BTC取得原価:3,700,000円総平均法の場合取引日取引内容数量金額総取得額平均単価損益計算レート2022/7/1購入12,500,0002,500,0002,500,0002,500,0002022/12/1購入12,300,0004,800,0002,400,0002,300,0002023/5/1売却28,000,0002,333,3334,000,0002023/6/1購入13,700,0008,500,0002,833,3333,700,000上記取引を終えての利益と資産の状況利益:2,333,333円残数:1BTC取得原価:2,833,333円上記の通り、移動平均法と総平均法では、単年でみると、損益と取得原価も異なっていることがわかります。※最終的に累計した損益は、移動平均法と総平均法では同じ額になります。移動平均法で計算すると認識と近く、総平均法は年間を通して集計する必要があるので認識とずれる場合があります。このように、ただでさえ複雑な仮想通貨の収支の計算ですが、計算方法によっても認識との齟齬が発生する場合がありますので注意が必要です。仮想通貨(暗号資産・ビットコイン)の節税・税金対策ここからは、取得原価を把握することにより、できることをご紹介します。取得原価を正しく把握すると以下のようなことができるようになります。損が出ている暗号資産を売却することにより利益を圧縮 所持している暗号資産の売買をコントロールして、年度ごとの利益を調整損が出ている暗号資産を売却することにより利益を圧縮する所持している暗号資産の取得原価を計算したのち、含み損がある通貨を売却することにより、利益を圧縮することができます。市場で売却できるものは、そのまま売却を行ってもいいですし売却できないものであっても、クリプトリンクでは不要な暗号資産の引き取りサービス(クリプトリンクトラッシュ)を提供していますので、そのようなサービスを利用されることも検討されてはいかがでしょうか。所持している暗号資産の売買をコントロールして、年度ごとの利益を調整するこれには2つの考え方があります。1)売却して得る利益を逆算して、税率が上がらないように調整する暗号資産は雑所得となるので、累進課税で税率が決まります。ご自身のほかの収入状況と勘案して、必要以上に税率が上がらないように売却を行うことにより必要以上に税金を払うことを防ぐことができます。上記の表を見ていただくとわかる通り、所得の金額により税率が変わってきます。そのため、税率が上がる所得の額を理解して売買を行うことにより、税金を抑えることができるようになります。2)安いレートで取得していた暗号資産を、高いレートで買い戻し取得原価をあげるあくまでも追加購入を検討している場合になりますが、総平均法での計算の場合、年間での取引をまとめて計算を行うため、タイミングを調整して追加購入することにより取得原価を調整することができます。特に、年度をまたいで購入を検討しているような場合には、年内に購入するか、年を越えて購入するか一度検討されてもよいかと思います。先ほど例に出した、取引のうち、2023年12月1日に追加でBTCを購入すると、取得原価が変わり、損益が1,000,000円と減少します。取引日取引内容数量金額総取得額平均単価損益計算レート2022/7/1購入12,500,0002,500,0002,500,0002,500,0002022/12/1購入12,300,0004,800,0002,400,0002,300,0002023/5/1売却28,000,0001,000,0004,000,0002023/6/1購入13,700,0008,500,0002,833,3333,700,0002023/12/1購入15,500,00014,000,0003,500,0005,500,000上記取引を終えての利益と資産の状況利益:1,000,000円残数:2BTC取得原価:3,500,000円このように、ご自身の所持している暗号資産を正しく把握することにより、税金の対策を行う手段を得ることができます。資産を正確に把握するとできること・正確に所得の金額を把握することができ、税率に合わせて取引を検討することができる。・含み損益のある仮想通貨の損を実現することにより所得を下げることができる。・年間の取引方針を検討することにより、該当年度の利益額を調整することができる。法人化する方法(投資金額が大きい方向け)投資している金額が大きい方向けの内容になりますが、法人化する。ということも節税の手段としては考えられます。先ほどお伝えした通り、個人での税金対策は手段が限られており、売買のテクニック的なものがメインとなりますが、法人の場合には節税の施策は個人に比べると多く存在しています。個人個人状況が異なるため、具体的な内容のご紹介は割愛しますが、大まかに言うと個人で所持している暗号資産を法人へ譲渡して、法人側で節税策を実施する。ということです。この際ポイントになることが、個人から法人へ暗号資産を譲渡するときのレート情報の設定個人での税率と法人の税率の差異法人での節税方法の選択になります。個人から法人へ暗号資産を譲渡するときのレートの設定個人から法人へ譲渡する際の金額を設定します。譲渡する際の金額を状況に合わせて設定をすることにより、個人での売却額を抑えることができるため、利益を圧縮することができます。また、今後まだ価格が上がると思われている場合には、価格が安いうちに法人へ譲渡することができれば、より利益の圧縮の効果が高くなります。※法人は譲渡を受けた情報を機首の情報として収支の計算が行われます。個人での税率と法人の税率の差異個人での税率は上に記載した通りになりますが、法人の実行税率は*33.583%となり、個人と比べると所得が大きくなると税率の差異が大きくなってきます。*東京23区所在法人における超過税率適用時の中小企業の実効税率により計算法人での節税方法の選択法人では個人では利用できない節税方法がありますので、所得の金額や希望の内容により選択することができ、大きな節税効果を見込めます。法人化するためにかかる費用や、税理士への顧問料の支払い等、個人では発生しない費用もかかってくるため、安易にとれる方法ではないですが、ある程度大きな額で暗号資産の投資をされている方は、選択肢の一つとして検討してはいかがでしょうか。まとめこのように、節税や、税金対策を行うためにはまず、ご自身の資産の状況の整理、把握が必要になります。手間はかかりますが、年末にバタバタとして何もできなかったとならないために、定期的に状況の整理を行うことをお勧めいたします。節税に対してご相談されたい方はぜひお問い合わせよりご相談下さい。資産状況の把握がご自身で行うことが困難。ということがあれば、クリプトリンクで計算を代行する計算代行サービスも行っておりますのでぜひお問い合わせください。ご紹介した法人化については、ある程度の時間がかかるものになりますので、ご興味のある方はぜひお早めにお問い合わせください。節税サービス当記事では暗号資産の節税についてご紹介しました。すぐにできるもの、時間を有するもの等ありますが、皆様の資産の形成にお役に立てれば幸いです。関連記事ビットコインにかかる税金とは?仕組みから損益計算や確定申告方法まで徹底解説【仮想通貨(暗号資産)】確定申告前に要確認!含み益でも課税される?仮想通貨(暗号資産)の含み損益の税金を解説【必読】仮想通貨の個人の節税方法7個を紹介!税金・確定申告に便利な計算ツールも紹介